道路脱炭素へ連携強化/事業者、市民に将来像発信/国交省若手がプロジェクト | 建設通信新聞Digital

2月5日 木曜日

行政

道路脱炭素へ連携強化/事業者、市民に将来像発信/国交省若手がプロジェクト

リーダーを務める 酒匂課長補佐  
フォーラムでは若手職員が  これからの道路行政を語った
 国土交通省は道路分野の脱炭素化に向け、建設業者や自動車メーカー、IT企業といった民間事業者や地域住民との連携を強化する。その橋渡し役を担うのは若手職員が中心となって結成した「G-ROUTE PROJECT」だ。環境負荷低減やウェルビーイング向上など道路の将来像を広く社会に発信し、課題解決に向けた理解と協力につなげていく。 2025年10月に施行した改正道路法には、実現すべき道路管理の理念が新たに創設され、脱炭素化を推進する旨が記された。これを受けて国交省は、各道路管理者が推進計画を策定し、脱炭素化を促進する枠組みを導入した。
 ただ、道路利用でCO2が排出される場面は多い。プロジェクトリーダーを務める酒匂一樹道路局環境安全・防災課長補佐は「今までの道路施策のように道路管理者だけの取り組みでは理念の達成は難しい。住民や民間事業者などと連携しなければならない部分が大きい」と指摘する。道路照明のLED化など道路管理者主体で可能なことは直ちに実施するが、低炭素アスファルトなど新素材・新技術の導入や自転車の利用促進、渋滞対策は多様な関係者との協働が必要となる。
 そのため、課題解決に向けて道路の脱炭素化を幅広く伝え、関係者との連携につなげるプロジェクトを立ち上げた。環境施策に密接に関係するロードキル対策などネイチャーポジティブの推進と、歩行者利便増進道路(ほこみち)など人中心の道路空間の形成も重要なテーマに位置付けて取り組みを進める。
 プロジェクトで最初に取り組んだのは1月26日に都内で開いた「道路の脱炭素をインスパイアするフォーラム」だ。オンラインを含め参加した約500人に対して脱炭素化への方向性を周知するとともに、道路が次世代型インフラに発展する可能性を探った。
 プロジェクトのメンバーである若手職員7人がこれから目指したい道路行政の姿を語り合うコーナーでは、それぞれ「『8がけ社会』でも安心の道路サービスを」「愛と勇気でBEYOND縦割り」などのキャッチフレーズを披露し、率直に思いを口にした。酒匂課長補佐は「若手からのアイデアで、従来のパネルディスカッションよりもっと気軽に見られるようにした。会場には学生も参加していて関心を示してくれた」と振り返る。
 プロジェクトでは今後も広報活動に力を入れていく方針だ。酒匂課長補佐は「世界をリードする一つのチャンスだと感じてほしい。再生可能エネルギーが普及すれば新たなビジネスチャンスが生まれる」と強調し、使命感がつきまとう脱炭素化のイメージの転換を目指す。「道路管理者も脱炭素化を新しい価値として創造する側に変わっていかなければならない。民間で進むカーボンニュートラルの取り組みが道路空間とマッチするきっかけをつくりたい」と展望している。