政府は、官公需法に基づく2026年度の国などの契約の基本方針を決めた。国や独立行政法人などが中小企業・小規模事業者に発注する契約目標率は、前年度に引き続き61.0%とする。官公需での価格転嫁と取引適正化、ダンピング(過度な安値受注)防止の徹底に向けた措置を明確化する。発注者による措置の実効性を担保し、高めるために措置内容のフォローアップを強化。全国の自治体を含む約2000発注機関の取り組みを「見える化」することで、受注側中小企業による発注機関の評価を拡充する。10兆5856億円の26年度官公需予算総額に占める中小企業・小規模事業者向け契約目標額は、6兆4572億円と過去最高を更新する。契約の基本方針は21日に閣議決定される見通しだ。
契約目標率の61.0%は6年連続で、目標額が6兆円台となるのは初めて。前年度に比べて目標額は5379億円増える。スタートアップ(新興企業)を含む創業10年未満の新規中小企業の契約目標率は「引き続き国等全体として3%以上を目標とし、取り組みを加速して着実な目標達成を図る」とする。
基本方針は、今回から構成や記載ぶりを大きく見直す。中小企業基本法の基本理念を明記し、基本方針での措置を着実に実施すると強調する。
発注者の措置を示す内容は、これまでの受注機会増大に加え、適正な請負代金設定や工期確保など価格転嫁・取引適正化の措置も講じると記載し、「受注量だけでなく、契約の質も向上させる」(政府関係者)ことを盛り込む。基本方針記載措置は原則全て実施し、未実施機関はその理由も含め公表することになる。
26年度の基本方針に示す措置での価格転嫁・取引適正化徹底のポイントは、▽「一方的に価格を決定することなく」迅速かつ適切に協議▽契約途中で実勢価格が変化した場合は入札による契約を含め再交渉が可能▽契約金額変更を申し出た受注者に対し、次回発注時で不利益扱いしない--などの明確化。
ダンピング防止では、全対象契約で低入札価格調査制度導入を徹底する。ビルメンテナンスや警備などの契約では、現状、予定価格の6割の低入札価格調査発動基準を8割程度に引き上げる。品質や機能などへの適切な考慮では、ビルメンテナンスや警備などの調達で、総合評価方式の適用拡大を記載する。
調達状況のフォローアップ強化も明記。国や独立行政法人約200機関、都道府県と人口10万人以上の自治体、東京23区の約300自治体を対象とする措置状況調査は、調査内容を詳しくして実態を把握し、発注機関の取り組みを見える化する。25年度の状況を今後調べ、12月にも調査結果を公表する。
価格交渉促進月間のフォローアップ調査から官公需を独立させ、新たに発注者の取り組みを受注中小企業が評価することも始める。26年度内に国の機関や独立行政法人、自治体の25年度の価格交渉・転嫁の取り組みを調べ、結果を公表する。積極的に価格転嫁・取引適正化に取り組む発注担当職員は人事評価で配慮する。
基本方針では、発注機関ごとや物件、工事、役務の区分別契約目標は設定しない。各省庁など発注機関ごとの契約目標は、基本方針に即して「契約方針」を速やかに定め、公表する。
