広島県の横田美香知事と中国地方整備局の山本大志局長の懇談会が8日、広島県庁で開かれ、激甚化する豪雨災害への対応や建設分野の人手不足対策・担い手確保の取り組みなどについて意見を交わした=写真。横田知事は、人手不足や担い手確保に対応するため、建設機械などに「フィジカルAI(人工知能)」を導入し、技術革新と人材確保の両輪で建設業の持続可能性を確保するとともに、先進的な取り組みに挑戦することで企業や若者から選ばれる広島県を目指す方針を示した。山本局長も連携に前向きな姿勢を示した。
広島県では、若者の県外流出が深刻化している。横田知事は「建設業界の就業者減少率が他産業と比較して非常に大きく、その対策が重要課題である」との認識を示し、若い世代に対して、SNS(交流サイト)などを通じたイメージアップ施策に注力していることを紹介するとともに、新たな取り組みとしてフィジカルAIを積極的に受け入れる機運醸成と環境整備を図っていく方針を示した。
フィジカルAIの導入は、スタートアップ(新興企業)などへの支援や公共事業での試験開発のための場の提供、民間へのインフラマネジメントデータの提供による開発促進だけでなく、人材育成と実装支援につなげる狙いもある。
これを受け、山本局長は「日本全体でも建設業が雇用創出の重要な産業であり、特に地方でその割合が高い。国土交通省でもフィジカルAIなどの先端技術の活用により建設現場の生産性向上に取り組んでいる」と話し、県の取り組みに賛同し、今後の連携に前向きな姿勢を示した。
そのほか、道路ネットワーク構築と物流・交流拠点の機能強化、上下水道管路などのインフラ老朽化対策、災害対応計画、港湾機能強化などについて意見交換した。
懇談を終え横田知事は「県土を形づくる重要な事業に関して有意義な意見交換ができた。特にフィジカルAIなどの新しい取り組みやインフラの更新の重要性に対して課題を共有できた」と語った。山本局長も「このエリアをいかにして持続的に発展させていくのかという視点や、災害対策の重要性など共通の問題意識を持っていることを改めて確認できた」と評価した。
