西松建設は、山岳トンネル施工の無人化・自動化施工システム「Tunnel RemOS(トンネル・リモス)」の実現に向け、ずり出し作業に使用するホイールローダーが走行ルートを自律的に判断・選択して移動する自動運転システムを開発した。2026年度内に現場実証を行う。27年度末には複数の遠隔操作技術を統合して切り羽作業の無人化を実現するとともに、自動化技術の開発も並行して推進。30年度末には30%以上の省人化による生産性向上を目指す。
同社は「トンネル・リモス」の取り組みの一環として、25年にずり出し作業用ホイールローダーの自動運転システムを開発した。このシステムでは、切り羽への走行から、ずりのすくい取り、最大約100m後方のクラッシャーまでの運搬・投入に至る一連の往復動作を自動化している。
従来システムでは、あらかじめ設定した複数の走行ルートの中からオペレーターが最適なルートを選択する仕組みだったため、ルート設定や選択時の手間が課題となっていた。
こうした課題の解決に向け、新たな自動運転システムを開発した。ホイールローダーに搭載したLiDAR(レーザー式測距装置)で車両の自己位置を高精度に把握するとともに、切り羽のずりやクラッシャーの位置情報も取得。その情報を基に最適な走行ルートを瞬時に自律生成する。
この処理を動作のたびに繰り返すことで、刻々と変化する切り羽のずり位置に応じた最適な走行ルートを常時生成できるようになった。
これにより、従来必要だった事前の走行ルート設定やオペレーターによるルート選択操作が不要となり、操作負担を大幅に軽減した。さらに、走行ルートをリアルタイムで生成するため待機時間も削減でき、より効率的なずり出し作業を実現する。
加えて、走行ルート上にカーブや障害物がある場合には、アクセルやブレーキを自律的に制御する機能も搭載した。進入禁止エリアを指定すれば、そのエリアを回避した走行ルートを自律生成できる仕様としている。
