【現場の目線をどう取り入れる?/先手打つ“攻めの管理”実践】
世紀東急工業の瀧本浩文執行役員コーポレート本部副本部長は、入社以来、現場一筋でキャリアを積んできたが、38年目にして管理部門に初めて携わることとなった。「本業は道路建設業であり、管理部門にも現場の目線を取り入れた施策を考えることがミッションだ」と力を込める。従来からの事後対応や再発防止といった“守り”の部分だけでなく「これまでの安全管理など当たり前に実施していた経験を生かし、工事屋の嗅覚でリスク回避や予防処置など先手を打つことで、“攻めの管理”を実践する」と決意を示す瀧本氏に、今後の展望を聞いた。
--力を入れる分野は
「人材だ。会社の方針で、『人を基軸とした経営の実践』を掲げており、人事部はスピード感を持って人事制度改革に取り組んでいる。課題は人材採用だが、納得感のある待遇で定着につなげ、ベテラン社員の活躍の場も設ける。特に、それぞれの役割にフォーカスし、頑張った人が報われる人事制度改革を進めている。これからは多様化の時代であり、働きやすい環境を提供する」
--今後の展望は
「2027年度から始まる次期中期経営計画は、長期ビジョン『2030年のあるべき姿』を目指した最終フェーズとなる。『真に強靱な企業グループ』の実現に向け、加速していくイメージを社員全員が持ってほしい。そのため、本業以外に柱となる部分を次期中計に盛り込みたい」
「環境対応やサステナブルなど、先々を読んだ社会貢献などに取り組むほか、子会社の新たな戦略も固めていく。人材、社内インフラ、機械設備の投資は重要であり、社員が働きやすい環境をつくるためには惜しまない。デジタル戦略も必須だ。経営企画部のIT統括グループを部レベルの組織『AIデジタル推進部』とし、積極的に投資しつつ人手不足の補てんや残業時間の削減につなげている」
--本業以外での成長は
「本業以外の収益源の多様化に取り組む。例えば、道路のメンテナンスを民間委託する事業は今後も増えていくだろう。沿道のサービス業などを包括的に運営管理する事業への参画も進めたい。自動運転の進展などモビリティーが変化する中でも、道路が生命線であることには変わりない。時代の先を見ながら、視野を広げて他業種とコラボレーションする」
--目指すべき組織の姿は
「会社の総力を結集し、さまざまな部署の風通しを良くしていきたい。自身の強みは、地方の仕事や、協力会社を含めた施工体制に触れ、多く人と顔を合わせてきたことだと感じる。今後もできる限り現地に出向いて声を聞き、支店の悩みを集めたり、フォローしたりする」
--道路舗装の魅力は
「ものづくりは大変さや難しさはあるものの、とても楽しい。特に、工事が完成したときの達成感は、他では味わえない。失敗を恐れずにさまざまな経験を積むことが自信になる。ものづくりに対する興味と好奇心が第一歩で、それさえあれば経験しながら学べる奥が深い仕事だ」
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(たきもと・ひろふみ)1989年3月近畿大理工学部土木工学科卒後、同年4月世紀東急工業入社。2014年4月関西支店工事部長、18年4月東北支店工事部長、20年4月東関東支店長、23年4月中四国支店長を経て、26年4月から現職。趣味は旅行、ゴルフ、ガーデニング。好きな言葉は山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」。思い出に残っている仕事は、関西支店時代、阪神高速道路の集中工事に責任者として携わったこと。「タフな仕事だったが、工事の始まりと終わりの瞬間は達成感があった」と振り返る。京都府出身、59歳。
