全国建設業協会(今井雅則会長)は3日、10月に全国9地区で開く地域懇談会・ブロック会議を前に、47都道府県建設業協会とその会員1877社から回答を得た「2026年度発注関係事務の運用状況等に関するアンケート」の結果を発表する。会員企業分の集計によると、前年度調査に引き続き、全体の半数近くが、受注状況が「悪い・悪くなってきた」と答えた。悪化傾向の主な要因は「公共発注量の減少」が突出しており、近年の資材価格や人件費の上昇を背景とする実質事業量の減少が、地域建設業の経営を直撃している。
受注状況は、「悪くなってきた」が35.4%、「悪い」が11.5%で、合わせて46.9%が悪化傾向にあると回答した。一方、「良い・おおむね良い」の改善傾向は、合わせて19.1%と2割にも満たない状況にとどまっている。
ブロック別に見ると、悪化傾向の割合が最も大きかったのは、東北の54.6%だった。次いで、近畿の52.4%、中部の51.5%、中国の50.9%が過半数を超えた。
受注状況の悪化要因は、「公共発注量の減少」が87.0%と圧倒的に多く、次いで発注減と密接に関連する「競争の激化」が47.3%、「技術者の不足」が46.6%を占めた。総合評価落札方式に伴う受注者の偏りや、資材価格高騰による予定価格と実勢価格の乖離(かいり)を要因とする回答も2、3割程度あった。
自由意見によると、「資材価格などの上昇に対して予算が増えず、発注工事件数が少なくなっている」「公共工事の発注量に地域的な偏りが生じている」「技術者・技能者不足により、受注したくても入札参加を見送る場合がある」といった声が寄せられている。
また、入札制度に関しては、「総合評価方式では実績や評価点の高い企業に受注が偏る」「実績がないため入札参加や受注ができず、新たな実績をつくることもできない」「最低制限価格付近で同額の入札が多く、くじ引きに受注が左右される」「工事の発注ロットが大型化し、地域の中小企業が入札に参加しにくくなっている」などの意見があった。
直近決算の利益についても、全体の36.5%が「悪い・悪くなってきた」と答えた。ブロック別で、悪化回答は四国が42.5%と最も多く、次いで東北の41.7%、近畿の39.9%の順となっている。
利益の悪化要因は、「公共受注の減少」が78.4%と圧倒的多数だが、「工事期間中の資機材価格の高騰・労務費の上昇」も53.7%と半数以上を占めており、契約後の物価変動に伴う価格転嫁に苦労している状況がうかがえる。
会員企業からは、「資材価格や労務費、燃料費、リース料などの上昇が請負金額に十分反映されず、利益率が低下している」「働き方改革、安全対策、熱中症対策、ICT・DX(デジタルトランスフォーメーション)などに対する新たな費用が積算に十分反映されていない」「標準歩掛かりと施工実態に乖離があり、特に小規模・小ロット工事では利益を確保しにくい」「予定価格を下回る価格での受注を前提とする仕組みでは適正な利益を確保しにくい」などの課題が指摘されている。
