建設現場の働き方改革にも大きく影響する工事書類の簡素化が、地方自治体で進展していない。全国建設業協会(今井雅則会長)の会員調査によると、簡素化が進んでいるとの回答割合は、国土交通省が約8割に達したのに対し、都道府県・政令市は6割弱、市区町村は4割弱にとどまった。
都道府県建設業協会の会員1877社の回答を集計した「2026年度発注関係事務の運用状況等に関するアンケート報告書」によると、工事書類の簡素化が「進んでいる・一部進んでいる」の合計は、国交省が79.1%、都道府県・政令市が56.8%、市区町村が38.1%だった。
都道府県・政令市は「あまり進んでいない」が33.7%、「全く進んでいない」が9.6%、市区町村はそれぞれ43.6%、18.3%を占めた。
書類簡素化の問題点は、「発注側担当者によって必要書類が異なる」が最多で、次いで「紙とデータの両方の提出が必要」「本来提出不要な書類の提出を求められる」「従来の書類は簡素化されても、新たに作成が必要となった書類も多い」の順となっている。
自由意見によると、会員企業からは「発注機関や担当者によって必要書類や様式が異なるため、統一してもらいたい」「発注者間で工事書類の取り扱いを統一し、工事金額や工種に応じた書類作成のモデル・マニュアルを整備するとともに、それ以上の書類を求めない運用としてほしい」などの要望が上がっている。
また、「提出する書類は減っても、作成が必要な書類は十分に減っていない」といった指摘もある。提出が不要になったとしても、発注者に求められた場合に提示しなければならない書類の準備など、「備え」としての業務が残り、負担軽減を阻害しているケースがあるという。
