本州四国連絡高速道路会社は、長大橋の局部補修の効率化に向け、「補修塗装ロボット」の開発を2023年度から進めている。25年12月の大島大橋での実証試験を経て、26年3月に実機が完成。9月15日には、神戸市の明石海峡大橋で実橋試験を実施し、3Dカメラによるさび検知やAI(人工知能)によるケレン経路の自動生成について検証した。今後も機能のブラッシュアップを進め、28年度をめどに大鳴門橋などトラス橋への展開を目指す。
ロボットは、AIを搭載した3Dカメラや6軸アーム、自動昇降機能を備えたAMR(自動走行搬送ロボット)となり、桁外面作業車に載せて運用する。変状座標の情報をもとに変状箇所まで自動移動し、水洗い、塩分濃度測定、ケレン、スプレー塗装、膜厚計測、結果計測まで自律して行う。ケレン作業時は、3D対象面の形状と色情報を取得し、ケレン経路を自動生成する。さび部分のみを重点的に削ることができるほか、アームの動作を設定する「ティーチング」が不要となるため、作業の効率化を実現する。開発には、グループ会社の本四高速道路ブリッジエンジのほか、本四高速が主催する「自動点検・補修技術開発コンソーシアム」の参加企業であるスギノマシンが参画している。
実橋試験は神戸市側の2P主塔で実施。変状箇所を模したシートを設置し、撮像から経路生成、結果計測までの一連の作業を確認した。
大浦義司保全部設備課技術支援・高度化担当課長は「局部補修の効率化を図ることで、メンテナンスの平準化などにつなげたい。今後はスプレーの飛散抑制といった塗装関連技術の検証を進めていく」と話すとともに、「ロボットと人がうまく役割分担できるような運用体制の構築を進めたい」と意気込みを語った。
本四高速では、「次世代維持管理統合情報システム」を中心とした、長大橋の一元管理システムの構築を進めている。これまでMR(複合現実)技術を活用した点検システム「BIX-eye(ビックス・アイ)」などの開発に取り組んでおり、将来的にはロボットとも連携する予定だ。
