日本建設業連合会(押味至一会長)と不動産協会(吉田淳一理事長)は28日、「持続可能な建設業および不動産業の実現に向けた協議会」の下に設置し、これまで3回の会合を開いた「幹事会」での議事概要を公表した。懸案となっている設備工事業の供給力不足への対応を含め、BIM活用や各種部材の規格化・標準化・プレハブ化などの生産性向上方策が、施工者だけでなく、発注者にも大きな恩恵をもたらすという認識を共有した。一方、日建連が原則化を推進する建設現場の4週8閉所を巡っては、できるだけ現場を稼働させて少しでも早く施設を供用開始したい不動協側との間に、容易には埋められない溝が生じている。
幹事会は7月17日に第1回、9月29日に第2回、10月8日に第3回会合を開いた。これまでの議論の内容をまとめ、日建連の中原淳事務総長、不動協の野村正史副理事長・専務理事らが報道陣に説明した。
現在、半導体工場やデータセンター、大型再開発など難易度の高い工事では、設備工事業者が極めて逼迫(ひっぱく)している。日本電設工業協会と日本空調衛生工事業協会を交えた意見交換では、協力会社の技能者を含めた施工体制の確保が、サブコンとして新規受注時の一番のネックになっていることなどが伝えられた。サブコン社員の技術者も不足しているが、全社的な調整で何とか集められている。技能者は自らの地域から出たがらない傾向があり、特に地方の大型案件では確保が難しい状況という。
設備工事に限ったことではないが、施工サイドからは、BIMを活用したフロントローディングの実践やプレハブ化・モジュール化の推進、早期の仕様確定、着工後の設計変更の抑制・制限などを求める声が上がっている。
不動協側もBIM活用、設計凍結、早期仕様確定、変更指示の書面化、早期発注などについて、できる限り協力し、改めるべき点は改めたいなどと応じ、建設生産プロセス全体の高度化に大きく寄与するBIMをはじめとする新技術活用に向けて、両団体がより具体的かつ実務的な連携を進めるべきとの認識を示した。提案内容の評価体制整備などを前提に、総合評価方式も活用の余地があるとしている。
技能者の確保に当たっては、外国人材の在留期間延長や分野別受け入れ上限枠の拡大、技能労働者の派遣解禁などが必要との意見も出ている。
担い手の確保・定着に向けた働き方改革の主要施策として、建設業界が官民を挙げて推進してきた週休2日を巡っては、双方の主張が対立している。日建連は、人材確保や専門工種ごとの引き継ぎ負担、近隣対応、資機材調達などの観点から、土日閉所を基本とした週休2日の定着を目指している。不動協は、休日確保の重要性は理解しつつ、工期延伸とそれに伴うコストアップなどを避けるため、閉所にこだわらず交代で休むシフト制を呼び掛けている。
このほか、サプライチェーン全体が関与する技能者育成にも話題が及んでおり、不動協側から、人材需給と育成費用を見える化した上で、発注者を含む業界全体で人材育成を支える費用負担の仕組みを検討すべきといった前向きな発言もあった。
第4回会合は12月中旬に開催する予定。建設業振興基金と建設技能人材機構(JAC)を招き、技能者の体系的な教育訓練や処遇改善に向けた建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用、外国人材の戦略的な獲得や日本語教育・生活支援などをテーマに意見を交わす。
その後、協議会設置から1年となる6月ごろまでに、短期的、中長期的に取り組む事項や国に対する制度面の要望などをまとめる。
