能登半島地震・現行耐震基準の妥当性検討/国交省 | 建設通信新聞Digital

5月9日 木曜日

行政

能登半島地震・現行耐震基準の妥当性検討/国交省

【建物被害で原因分析】
 国土交通省は、能登半島地震による建築物の構造被害の分析に着手した。日本建築学会と国交省が月内に開始する現地調査の結果を踏まえ、現行の耐震基準で建てられた建築物の被害の有無や、その原因を検証し、現行基準の妥当性などを検討する。今秋にも検討結果をまとめる。
 14日に建築構造の専門家や建築設計、建築審査の実務者で構成する「令和6年能登半島地震における建築物構造被害の原因分析を行う委員会」(委員長・中埜良昭東大生産技術研究所教授)の初会合を開いた=写真。
 委員会では、日本建築学会と国交省が石川県輪島市、珠洲市、穴水町で2、3月に実施する建物被害の現地調査の結果を基に、新旧の耐震基準による木造住宅の被害の程度を把握し、現行基準を満たす建物の被害原因や過去の大地震による影響などを分析する。RC造建築物で見られた倒壊や沈下については、基礎杭や地盤の影響などを調べる。半島北部で0・9としている地震地域係数と被害との関係性のほか、天井や非構造壁の被害原因、耐震改修や免震化の効果なども検証する。
 会合では国土技術政策総合研究所と建築研究所が1月に実施した木造建築物や建築物の基礎・地盤の被害に関する現地調査の結果を報告した。これらの調査結果も基に構造被害の原因分析を進める。委員会での検討結果を踏まえ、国交省で必要な対策を検討していく。
 5、6月に第2回を開き、それまでにまとめた被害状況の分析結果などを確認する。