23・24年度の需要予測/過去最高がさらに上振れ/建機工 | 建設通信新聞Digital

5月11日 土曜日

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23・24年度の需要予測/過去最高がさらに上振れ/建機工

2023、24年度の需要予測(出荷金額ベース)
本田会長
【24年度は3.3兆円見込む】
 日本建設機械工業会(本田博人会長)は21日、2023、24年度の建設機械の需要予測を公表し、前回公表の8月予測からいずれも上方修正したことで、見込んでいた4年連続の過去最高が、さらに上振れる見通しを示した。この公表に伴う会見で本田会長は「国内は部品、部材の納入遅れが改善し、安定した公共投資や民間設備投資にも支えられている。輸出は国内同様、部品・部材の納入遅れが改善したことに加え、船舶の需給が改善し、為替も円安に振れた」と今回の上方修正の要因を挙げた。
 23年度の出荷金額は、国内・輸出ともに続伸し、前年度比9%増の3兆3178億円とした。前回23年8月時点予測から1257億円の上方修正となり、3年連続の過去最高値を見込む。24年度の出荷金額も底堅く推移し、0.3%増の3兆3291億円と見通す。前回予測から523億円の上振れとなり、23年度超えとなる4年連続の過去最高を予測する。
 23年度のうち国内出荷金額は、部品・部材の納期遅延改善や安定した公共・民間設備投資に支えられ、前年度比7%増の9855億円とした。内訳は、上期が前年同期比13%増の4682億円、下期が2%増の5173億円。一方、輸出額は、船舶需給の改善や円安相場などの影響から、前年度比9%増の2兆3324億円と見通す。
 24年度のうち国内出荷金額は、安定した公共投資が継続するとし、前年度比1%増の9957億円と見込む。内訳は、上期が前年同期比2%増の4752億円、下期が1%増の5205億円。一方、輸出額は、建設用クレーンが続伸して高水準が続くとし、前年比0.4%増の2兆3334億円と予想。内訳は、上期を前年同期比1%減の1兆1829億円、下期を1%増の1兆1505億円と見込む。
 調査は、建機工正会員の建機メーカー62社を対象に1月実施。23年度下期と24年度上下期の3期について、建設機械を9機種に区分し、国内と海外への出荷額の予測をアンケート方式で調査した。
 こうした旺盛な需要がある中で、国土交通省はGX(グリーントランスフォーメーション)を推進するため、昨年10月にGX建機認定制度を創設した。本田会長は会見で、同制度を念頭に発言し、「50年のカーボンニュートラル実現やDX(デジタルトランスフォーメーション)、国際競争の激化など、建設機械業界を取り巻く環境変化は著しい。会員各社の努力を結集し、建機産業の力を強化することが重要だ」と語った。
 さらに、「脱炭素化を社会や経済、産業構造の変革により力強い成長を生み出すチャンスと捉える国際的な潮流が加速している。建機工でも製品、製造の二つの部会を設置し、勉強会や意見交換、委託調査の実施など積極的に取り組んでいる」と現状を説明した。
 このほか、3000億円規模に成長した補給部品市場については「近年大きく伸びている。 各社ともアフターサービスに力を入れていることの証しではないか」 と述べた。