路上駐車削減へ待機場所/交通災害防止、CO2減らす/竹中工務店 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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路上駐車削減へ待機場所/交通災害防止、CO2減らす/竹中工務店

 竹中工務店は、施工にともなう工事車両の路上駐車の削減や運転手の休憩確保などを目的に、工事車両待機場所「TAK-station」(特許出願中)=写真=を提供し、効果を上げている。運転手の労働環境改善や交通災害の防止、交通渋滞の緩和に貢献しているほか、工事車両の現場搬入時間調整のための迂回(うかい)を防止できるため、CO2削減にもつながっており、さまざまな形で社会に貢献する取り組みとなっている。 TAK-stationは、同社が施工する現場近隣の敷地を借り上げ、現場に鉄骨や生コンクリートなどの資材を搬入する大型車両が一時的に待機できる駐車スペースを提供するもの。現場に入場する工事車両の路上駐車を、企業努力として待機ヤードの提供によって解消する。おおむね30分圏内の範囲にある現場を中心として、活用が広がっている。
 これまで東京都内に設置しており、初弾は2018年9月から19年12月にかけて港区虎ノ門に設置。その後、19年7月から20年4月にかけて江東区新砂、19年7月から21年11月にかけて港区芝浦、21年11月から22年11月にかけて江東区佐賀に設置し、現在は23年7月から25年4月までの予定で港区六本木に設置している。トレーラー、10tトラックがそれぞれ3台から8台駐車できるスペースを確保している。
 初弾の虎ノ門では、虎ノ門駅前地区第一種再開発の作業所が利用し、ダンプ、生コン車、トレーラーなどが合計で1万3813台、利用時間は8450時間、港区芝浦では、18作業所が利用し、1860台、3706時間となっている。六本木では、水道、トイレ、冷暖房、テーブル・イス、冷蔵庫、電源を備えたトレーラーハウスを設置し、運転手が休憩できる環境を整えている。
 夜間に走行してきた車両が朝方に駐車したい、夜間工事などで夕方以降に止めたいといったニーズを受けて24時間体制にも取り組んでいる。電話や社内のウェブシステムからの予約で、夜間や早朝であっても活用できる。
 現場や運転手からは、「トレーラーの待機には非常に有効」といった評価の声が寄せられている。また、警視庁の駐車対策協議会で建設業として初めてプレゼンテーションを行い、愛宕警察署から感謝状が贈られている。
 大型車両が駐車可能な土地の広さ、現場からのアクセス性、近隣との調整といった土地の選定や、賃借・運用のコストなどさまざまなハードルがあるが、現場周辺の安全・安心の確保、環境保全、ドライバーの働き方改革への対応など、社会に貢献するための企業努力として、今後も取り組みを進めていく方針だ。