アースシャトル工法展開/洋上風力対応拡大 海底守り自営線構築/エクシオグループ | 建設通信新聞Digital

5月10日 金曜日

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アースシャトル工法展開/洋上風力対応拡大 海底守り自営線構築/エクシオグループ

アースシャトル工法概要図
 エクシオグループは、再生可能エネルギー需要の高まりを受けて、今後、拡大が期待される洋上風力発電事業に対応するため、自営線の構築をサポートする「EARTH SHUTTLE(アースシャトル)工法」の展開を強化する。開削できない道路や壊せない護岸などの下部を推進工法で施工し、自然を守りながら海底に超高圧ケーブル用管路を構築できる点が特長だ。28日から3月1日までの3日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれる「第13回 WIND EXPO【春】[国際]風力発電展2024」に、同工法などを出展する。 アースシャトル工法は、洋上風力高圧ケーブル敷設管や通信・電力陸揚げ管、水道送水管、海水取水管などを長距離推進工法で、必要な管径を必要な場所まで築造できる技術。施工に当たっては、最初に発進サイトを地上に設け、工法の核となる掘進機などを設置して、その先端の掘削ドリルで地中を掘り進める。
 掘削は直線、カーブに対応できる二つのモードを使い分けて行う。曲線施工や方向修正には、ドリルパイプを回転させずドリル先端のビットだけを回転させるスライドモードで掘り進める。直線施工の場合、ロータリーモードにより、ドリルパイプ全体を回転させながらベント部の曲がりを相殺して掘削する。いずれも高精度な位置計測システムを活用し、送泥水の圧力で掘りくずごと排出する方法などで弧状推進を行う。
 最後にドリルパイプに敷設管を接続して、ドリルパイプを回収しながら敷設管を引き込み、その管内に超高圧ケーブルを引き込むことで洋上の風車から陸上までを結ぶ。これで開削できない道路、壊せない護岸や消波ブロックなどの下部を推進し、海底も傷つけずに漁場やサンゴ礁自然保護区などを守りながら施工することを実現。管やケーブルの損傷・切断リスクを低減し、ライフラインの安定維持につながる。1000m以上の長距離推進や、ほぼ全ての地質に対応することも可能だ。
 同社はこの工法を使用して、洋上風力発電の要となる海洋から変電所までの自営線構築の設計から施工までを一貫して支援していく。