蘭Madaster社と提携/日本版建設物資源循環データ基盤を構築/大成建設 | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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蘭Madaster社と提携/日本版建設物資源循環データ基盤を構築/大成建設

 大成建設は、オランダに本社を置くMadaster社と提携し、同社が開発したMadasterプラットフォームの国内建設物への適用を検討するとともに、日本版の建設物資源循環データプラットフォーム構築に着手した。現在建設中の大成建設グループ次世代技術研究所(埼玉県幸手市)でMadasterプラットフォームを試用し、建設物のライフサイクル全体で使用される各建材・設備と建設物全体の資源循環に関するデータを解析し、課題抽出と改良を加えることで日本に適したプラットフォームの構築を目指す。
 国・産業界を挙げてサーキュラーエコノミー(循環経済)の推進が求めれる中で、長期にわたる建設物のライフサイクル全体で使用される、交換時期の異なる多種多様な建材・設備などをサーキュラーエコノミーの観点から統合して管理する仕組みづくりが急務となっている。
 今回試用するMadasterプラットフォームは、建物や橋など建設物のBIM/CIMデータと資材仕様やトレーサビリティーに関するエクセルデータを連携させて活用する。これにより建設物のライフサイクル全体で使用される各建材・設備と建設物全体でのリサイクル材使用率と解体時にリサイクル可能性のある材料の割合と長寿命指標から算出される独自のサーキュラリティー(循環性)などの数値化や、CO2排出量を算出し見える化する=図。
 今後構築する日本版では、設計段階から資源循環性が高く、CO2削減にも配慮した建設物のライフサイクルを踏まえた効率的な計画策定と維持管理を可能とし、解体時には建材ごとに再資源化の程度も予測でき、建設物のマテリアルバンクとしての機能を付与する可能性も期待できるとしている。
 これらの取り組みを進めることで、循環型社会や脱炭素社会の形成に貢献していく。