空衛工事業のCN行動計画策定/日空衛 業界全体で意識高める | 建設通信新聞Digital

5月10日 金曜日

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空衛工事業のCN行動計画策定/日空衛 業界全体で意識高める

藤澤会長
 日本空調衛生工事業協会は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを推進するため、環境行動計画を10年ぶりに改定し、「空調衛生工事業のカーボンニュートラル行動計画」を策定した。施設・設備の省エネルギー設計提案など建築物の運用段階のCO2排出の削減に取り組むとともに、施工段階や会員企業自身のCO2低減を基本方針に掲げた。今後は会員各社の取り組みの調査などを進め、30年までのロードマップを今年度中に決定する。 17日に開いた理事会で決定した。理事会後に会見した藤澤一郎会長は「環境に寄与する事業を手掛ける会員企業、業界団体としての活動を具体的に取り上げた。気候変動に対する取り組みは建設業だけではなく、産業全体に関わるものであり、これからは行動計画にのっとって進める。統一した方向性を持って意識を高めていく」と改定の意義を説明した。
 空調衛生工事業は建築物の躯体に比較して耐用年数の短い設備の更新に合わせて、既存建築物の省エネ化を図ることが求められている。特に運用段階のCO2排出量は建築物のライフサイクル全体の76%を占めており、空調衛生工事業者が設備の運用改善や改修工事に合わせた省エネ化を提案することで、効果的にCO2の削減を図れる。
 日空衛は会員企業の活動を支援するとともに、その活動状況をモニタリングし、結果を積極的に開示していく。削減目標は可能な企業から設定することとし、運用段階のCO2排出量の削減は省エネ設計の提案率やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)受注の延べ床面積など管理可能な指標の設定を想定。施工段階と自社の事業活動(スコープ1、2排出量)はできるだけ早期に13年度比で50%または年4.2%以上の削減目標の設定を目指す。エンボディード・カーボンの削減目標は、その在り方を含めて検討する。
 行動計画にはZEB化やBIM連携など先進的な取り組みを進める会員企業8件の事例を掲載している。

◆年間就業履歴登録数110万件を目指す/CCUS推進方策

 日本空調衛生工事業協会(藤澤一郎会長)は、2024年度の建設キャリアアップシステム(CCUS)推進方策を決定した。年間の就業履歴登録数は110万件を目標とし、契約金額1億円以上の元請け現場は原則として現場登録を行い、カードリーダーなどを設置する。事業者、技能者登録は一定の水準に達したことから目標設定はせず、確実な更新を支援する。更新期限の到来する企業のフォローアップを進めるとともに、建設業振興基金の協力を得て、会員企業の協力会社の更新状況リストを提示する。
 協力会社でのCCUS活用を促進するため、能力評価を企業独自の手当などに反映する取り組みの検討・実施を目指すほか、「技能者のメリットを引き続き国土交通省に求めていきたい」(藤澤会長)考えだ。会員企業・団体に対する補助事業は23年度と同様の内容を継続する。