国土交通省は、解体工事の施工状況などについて実態を把握するための調査に乗り出す。解体工事での不適切施工が増えているとの声を踏まえ、許可業者や登録業者を対象に施工状況や事故状況などを確認する。安値受注により安全対策がおろそかになっているケースがないかなどを確認し、課題や必要な対策を検討する。
請負金額500万円以上の解体工事は建設業法に基づく解体工事業の許可、500万円未満は建設リサイクル法に基づく登録が必要となる。許可業者数は約6万6000社、登録業者は約1万9000社に上る。
解体工事を巡っては、毎年10月に国交省と環境省、厚生労働省、都道府県が連携し、建設リサイクル法に関する全国一斉パトロールを実施し、同法の順守状況を確認している。
ただ、業界団体からは、粉じん対策や振動対策が十分でない解体工事が増えていたり、外国人労働者による不適切な施工が見られたりするといった声が寄せられている。2月に改正した「特定技能制度等に関する下請指導ガイドライン」でも解体工事などで外国人材を活用する場合、元請け企業に対して適切な施工体制の確立や公衆災害防止に努めるよう求めている。
こうした状況を踏まえ、解体工事の実態把握のための調査を民間委託により実施する。許可業者、登録業者を対象とし、企業規模や請け負う工事の規模、技術者・労働者の賃金、施工状況や事故状況などを幅広に聞く。
許可業者に対しては業界団体を通じて回答を集めることを想定する。登録業者は業界団体がないため、競争参加者からの提案を踏まえて調査方法を詰めていく。調査結果を通じて解体工事業を巡る課題を分析し、必要な対策を検討する。調査検討業務の履行期限は9月30日までを予定している。
