
NEXCO西日本は、2026年熊本地震で被災した南九州自動車道妙見第一橋の復旧に関する検討委員会(委員長・松田泰治九大名誉教授)の初会合を熊本県八代市内で開いた。「地震動と断層変位が同時に作用した、国内で類を見ない特異な被災事例」(松田委員長)として、健全性調査の進め方や応急対策、復旧工法などを議論した。会合後、委員らは現地の被災状況を視察した。
橋は、橋脚直下を通るとみられる日奈久断層の活動で、上下方向の沈下・隆起と水平方向の横ずれが同時に発生。最大1・3メートルの段差や最大0・8メートルの横ずれが確認され、上下線ともに支承の破壊や桁端部の座屈など橋梁全体に深刻な損傷が生じた。一方、桁連結装置や変位拘束構造など落橋防止システムが機能し、桁の完全な落下は免れた。
委員会では、余震による2次災害を防ぐため、仮受台による応急支持を最優先で進めるほか、ボーリング調査などによる基礎杭の健全性評価や断層変位の定量的な分析を進める方針を確認した。妙見トンネルに近接しているため、断層変位で変化した橋の縦断勾配を既設構造物とどのように接続するかが、復旧に向けた重要な技術課題になる。
松田委員長は「詳細な調査を進めるとともに、将来同様の災害が発生しても復旧しやすい構造も視野に入れながら、技術的な検討を進めたい」と述べた。
妙見第一橋は、八代JCT~八代南ICに架かる鋼橋で、1998年に供用開始した。橋長は上り線248・5メートル、下り線501・2メートル。下り線は鋼鈑桁、鋼箱桁、鋼床版箱桁を組み合わせた4連続桁、上り線は単純鈑桁と連続鈑桁、鋼床版箱桁で構成する。応急復旧作業は、災害協定に基づき、上り線をIHIインフラスクエアとエム・エムブリッジ、下り線を川田工業と日本鉄塔工業が担当している。

