埼玉県越谷市は、越谷市立病院の老朽化対策・建て替えの検討状況を明らかにした。市は、全面建て替え、老朽化部分の一部建て替え、長寿命化の三つの手法で比較検討を進めており、現在は長寿命化の可能性とその可否、費用について調査を進めている。今後、2026年度中に事業手法を絞り込み、明らかにしたい考えだ。10日に開かれた9月定例会で説明した。
同病院の敷地内には、築後50年の既存棟のほか、築後30年の増築棟、築後14年の西棟などが立地している。現在は修繕の緊急性を4段階に区分し、優先度を定めて対応しているが、特に手術室や放射線機器などを配置する既存棟を中心に老朽化が進んでいる。
市は当初、全面的に建て替える方針で検討してきたが、建設費の高騰を受け、一部建て替えと長寿命化を加えて現在検討を進めている。全面建て替えの場合、費用を約600億円と試算しているが、10日の一般質問で、市は「今の社会状況を考えると、その金額では到底難しい」と回答し、事業費が上振れする可能性を示唆している。
一方、一部建て替えについては、建設の可否を含めて「今年度の検討の中で、おおよその金額を算出したい」と説明。長寿命化についても「現実的に長寿命化工事が可能か、どの程度延命できるのかも含め、今年度中に結論を導き出す」と答弁した。
議会からは新たな整備手法として、山形県米沢市の市立病院と民間病院の三友堂病院の事例を挙げ、同一敷地内への官民併設による機能分化の提案があった。これに対し、病院の担当者は、米沢市では回復期と慢性期を民間の三友堂病院、急性期は市立病院が担っていると前置きした上で、「当市の状況は急性期は市立病院、慢性期、回復期は他の病院ですみ分けがされている。回復期と慢性期の機能を新たに市立病院に持たせた上で、民間に任せる必要はない」としている。
