TANGE建築都市設計の丹下憲孝代表は、父・丹下健三が設計を手掛け、〝船の体育館〟として親しまれてきた「旧香川県立体育館」(高松市)の解体工事が一時停止となったことを受けて声明を発表した。一時停止措置を「文化的価値を守るための第一歩」としつつ、香川県の解体方針について「強い葛藤と憤りを禁じ得ない」と批判した。
香川県は、2012年にTANGE建築都市設計が実施した耐震診断を根拠に「地震に対する倒壊の危険性がある」と判断し、施設の解体を決定した。
丹下氏はこの診断結果について、改修・補強計画の起点として「現状のままでどのような課題があるか」を示したものであり、解体を前提としていないと表明。民間団体「旧香川県立体育館再生委員会」は解体費用の公金支出差し止めを求めて住民訴訟していた。
工事は高松地方裁判所による現地調査(証拠保全)の実施に伴い15日から1カ月間停止する予定。
丹下氏は工事停止と現地調査の機会を得たことを「県がわれわれに託した本来の思いに立ち返り、客観的事実に基づく開かれた議論を再開する絶好の機会だ」とし、「解体ありきでなく、県民や世界中の人々が真に納得できるプロセスと説明を切に希望する」と要望している。
