東京二十三区清掃一部事務組合は、働き方改革に向けた工事の週休2日を適切に実施するため、世田谷清掃工場建替計画の工事期間を1年延長する。解体工事着手時期は2026年度のままで、完成時期を32年度から33年度に変更した。
22年8月にまとめた建替計画では、「環境にやさしく信頼される清掃工場」を基本コンセプトに、緑地帯の整備やごみ発電によるエネルギー有効利用、安定稼働と災害時の機能維持、周辺に調和した色彩と見学空間の確保を基本方針としていた。
今年9月にまとめ、10月11日から縦覧を開始した環境影響評価書では、建替後の工場棟はS一部RC、SRC造で高さ37m、深さ25m。煙突がRC造(内筒・ステンレス製)で高さが100mとしている。建築面積は工場棟が1万1375㎡。焼却炉の設備能力は1日当たり600t(300t×2炉)で、処理方式は全連続燃焼式火格子焼却炉、排ガス処理設備がろ過式集じん機、触媒反応塔など。発電設備は蒸気タービンを予定している。余熱は場内の給湯とともに、場外にある世田谷区立世田谷美術館に供給する。環境影響評価書の作成は、国際航業が受託した。
環境影響評価実施時の工事工程では、26年度に準備工事と解体・土工事に着手し、29年度に解体・土工事を完了して躯体・プラント工事に着手、試運転も含めて32年度中に完成する予定とし、全体の工事期間を72カ月としていた。ただ、「原則、日曜日と祝日は作業を行わない」ことを前提とした工程となっていた。
今回、週休2日促進工事を進めるために必要な工期を確保した結果、工事完了時期を1年延ばした。