【広島市サッカー場】中央公園広場案の調査報告 多機能化で周辺の魅力向上・防災拠点にも | 建設通信新聞Digital

5月7日 火曜日

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【広島市サッカー場】中央公園広場案の調査報告 多機能化で周辺の魅力向上・防災拠点にも

上空からみた中央公園(広島市HPより)

 広島市は、サッカースタジアム整備の検討の中で、第3の候補地として浮上した中央公園広場について、現時点での整備の影響等に係る調査・検討業務の成果を、市議会都市活性化対策特別委員会に報告した。騒音や違法駐車など、類似スタジアムの対策事例や来場手段等アンケート結果のほか、仮に同広場にスタジアムを整備する場合の配置案を示した。スタジアムの多機能化により、周辺の魅力向上につなげる整備を提案している。今後は、地元住民からの反対の声も根強いことを踏まえ、引き続き対話を進め、理解を深めるとともに、今月末にまとまる調査・検討業務の成果を踏まえた広島県、広島商工会議所との調整も進める方針だ。
 調査・検討業務は、山下ピー・エム・コンサルタンツに委託し進めている。業務内容は、公園がある基町地区住民(基町の明日を考える会)から提出された質問などに対応するため、中央公園広場に建設することを想定し、施設配置などの検討、騒音・渋滞等への対応策の調査・検討や広場での実現可能性を検証した上で、他の候補地を含む3カ所を比較検証する。履行期間は今月29日までとなっている。
 中央公園については、旧市民球場跡地活用方策の検討の中でも広場での芝生広場ゾーンやスポーツゾーンをイメージするほか、災害時の指定緊急避難場所としての機能も視野に入れており、仮に同広場にスタジアムを整備した場合でも、こうした機能は維持するとしている。配置案では、防火水槽等の既存施設への影響をできるだけ少なくする配置を基本とし、ビオトープなども広場内に移転させるなどスタジアム形状に応じた整備などを検討するとしている。また、防災拠点としての役割を果たすため、一定のオープンスペースを確保するとともに、スタジアム自体も避難スペースとして活用するほか、施設内に備蓄倉庫等の各種防災機能を整備する。
 そのほか、スタンド下の空き空間の有効活用や周辺の魅力向上につながる整備を進めるなど、スタジアムの多機能化を図ることで、周辺地域を含めた中央公園の回遊性の向上にもつなげる考え。
 県、市、商議所の3者で検討する建設候補地は、サッカーJ1・サンフレッチェ広島を加え、昨年9月に開催した4者トップ会談で、これまで検討してきた旧広島市民球場跡地と広島みなと公園の2カ所を残しつつ、 中央公園自由広場・芝生広場を候補地に追加することで合意している。

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