野村不動産は、千葉県習志野市で計画する津田沼駅南口地区第一種市街地再開発事業で、事業スケジュールを見直すため、市に協議を申し込んだことが明らかとなった。建築費高騰の影響で特定業務代行者の選定ができていないため、想定スケジュールでの事業推進が困難という。市は今後の対応を含めて協議する考え。 特定業務代行者は、2024年7月に募集を開始した。応募があった1社の提案価格が予定していた建築費を超過することから、審査委員会からの推薦が得られず、選定の判断に至っていないという。
23年6月に市と野村不動産が締結した再開発事業に関する確認書では、31年に施設建築物を竣工することを明記していた。
同再開発事業では、総延べ約22万㎡の複合施設を整備する。7月の事業認可、26年3月の権利変換計画認可後、同年4月から既存施設の解体に着工、28年内の新築着工、31年内の完成を予定している。
施行区域は、JR総武線津田沼駅南口駅前広場や津田沼緑地、商業・業務複合施設「モリシア津田沼」がある谷津1ほかの約3.4ha。モリシア津田沼内に現在の習志野文化ホールがあり、市が区分所有している。区域内は24年10月、市から都市計画決定を受けた。
施行予定者の野村不動産は、南東側に最高高さ198.5mでRC造52階建ての住宅棟、南西側にS・SRC造の複合施設棟の2棟を建設し、駅に近い北側には駅前広場と、その上部に駅前広場デッキの整備を計画している。建築面積は約1万8300㎡。基本設計は東急設計コンサルタントが担当した。
複合施設棟には、モリシア津田沼と同規模程度の商業機能、約4000㎡の屋上広場、市の習志野文化ホール(座席数1350席)、オフィスが入る。
習志野文化ホールについて市は、野村不動産が再開発施設とともに行う基本・実施設計の内容などをチェックするため、支援業務をシアターワークショップに委託。このほか、「津田沼駅南口地区における市街地再開発事業推進支援業務委託」はINA新建築研究所が担当している。