【東北地整】相馬港災害復旧の最終工事、5社の応札額2円以内に集中 積算精度の高さか | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【東北地整】相馬港災害復旧の最終工事、5社の応札額2円以内に集中 積算精度の高さか

 東北地方整備局小名浜港湾事務所発注の相馬港災害復旧工事の一般競争入札で、5社の応札額が2円以内に集中するケースがあった。結果的には最低札で入れた2社のくじ引きにより、東亜建設工業が落札した。東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた相馬港沖防波堤の災害復旧事業は2017年度内の完了を目指しており、今回入札した工事が最終案件となる。同事務所では、応札額が集中した理由について「各社の強い受注意欲が表れた結果ではないか」と見ている。
 対象工事は「相馬港本港地区防波堤(沖)(災害復旧)消波築造工事」で、7社が入札に参加した。最低札は東亜建設工業と若築建設の2億8979万2278円(税別、以下同)。次いで五洋建設と不動テトラ、本間組が最低札を2円上回る2億8979万2280円で応札した。
 災害復旧工事であるため、総合評価の技術提案加算点はなく、標準点と施工体制評価点の合計点のみで評価を実施。最低札の2社は44.8597184点、その他3社は44.8597181点で、その差は0.0000003点だった。
 同事務所では、応札額が極めて近いことなどから、参加した7社にヒアリングを実施。この中で企業側からは「復旧事業の最終工事なのでぜひ受注したい」との声が多かったという。結果的には、13日に上位2社によるくじ引きで落札者を決定した。
 今回の入札には参加していないマリコンの担当者によると、「最近の積算システムの精度は非常に高く、正しいデータを入力すれば予定価格や調査基準価格が1円単位まで割り出せる。発注者側の条件明示もしっかりしていたのではないか」とし、他企業の担当者は「過去に似たような工事があり、それを参考に積算したのでは。各社ともぎりぎりの金額で勝負したのではないか」と推測している。
 震災から6年半がたち、国直轄の災害復旧事業は順調に推移しており、工事の発注は最終局面に入った。今回の入札は、これまで災害復旧に携わってきた各社が、自らの手で事業を完了させたいという思いがにじんだ結果と言えそうだ。

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