東京都は30日、渋谷区の宮益坂地区市街地再開発組合の設立を認可する。参加組合員・事業協力者として東急とヒューリックが参画し、事業コンサルタントは佐藤不動産鑑定コンサルティングが担う。基本・実施設計はともに三菱地所設計と日本設計からなる宮益坂開発設計共同体が担当し、施工者は未定となっている。2026年度の権利変換計画認可、27年度の工事着手を予定しており、31年度の建物竣工を目指す。総事業費には約2431億円を見込む。
施行地区は渋谷区渋谷1~2の約1.4ha。街区を3分割し、A街区に地下3階地上33階塔屋2層延べ約19万2057㎡の事務所、店舗、ホール、宿泊滞在施設、産業育成支援施設からなる複合施設を整備する。B街区には店舗などで構成する地下2階地上7階建て延べ約8490㎡のビル、C街区には地下1階地上2階建て延べ約754㎡の神社などを建てる。
階段やエスカレーターなどによる縦軸の移動空間や、街区をつなぐ上空通路、地下広場などの整備により、立体的な歩行者ネットワークを形成するほか、大山街道沿いには多様な広場を配置し、歩行者中心の街道を形成する。
さらに、渋谷エリアに不足する大規模ホールや国際水準の宿泊滞在施設、国際ビジネス交流都市のさらなる発展に向けた官民連携の産業育成支援施設も配置。建物は省エネルギー化や高効率化を図り、防災備蓄倉庫などを整備することで防災対応力の強化も目指す。