福島県と県建設業協会、県建築士会などが主催する第41回建築文化賞の受賞作品11点が決まった。正賞はアーキシップスタジオ・鈴木弘人設計事務所JVが設計し、大成建設が施工した『大熊町立学び舎ゆめの森』が選ばれた。2026年2月5日に福島市の杉妻会館で表彰式を開く予定だ。

　審査は、工学院大名誉教授で建築家の木下庸子氏(審査委員長)らが担当した。

　今回は39点の応募があり、書類選考を通過した14点を現地審査し、意匠や機能性、周辺との調和、震災復興への貢献度などから評価した。

　正賞の『大熊町立学び舎ゆめの森』は、0-15歳までの幼保連携認定こども園と義務教育校などを集約した教育施設で、同町大川原南平に建設した。規模はS一部RC造2階建て延べ8153㎡。中心の『図書ひろば』から各教育機能が放射状に広がる配置計画で、鉄骨フレームの三角形グリッドで架構し、変化に富んだ印象的な外形となっている。

　総評では「大熊町の震災復興を象徴する教育施設で、学年・クラス編成を超えてともに遊び学ぶという教育理念を建築によって柔軟に支える点が特筆される。開所当初5人だった児童生徒数が短期間で大幅に増え、地域に新たな居住を促した事実は、建築と教育モデルの力を示している。新たなまちづくりの基盤として大きな可能性を開いた建築だ」と評価した。

　正賞以外の受賞作品と事業者は次のとおり(カッコ内は所在地)。
　〈準賞〉
　▽南相馬市民プール(南相馬市)=南相馬市。

　〈優秀賞〉
　▽会津柳津駅舎情報発信交流施設(柳津町)=柳津町▽相馬小高神社社務所(南相馬市)=相馬小高神社▽東光寺「客殿」(福島市)=東光寺。

　〈特別部門賞〉
　▽AQURIO(アクリオ)(郡山市)=河村電器産業▽松本養蜂総本場本店Boutique　del　miele(会津若松市)=松本養蜂総本場▽林業アカデミーふくしま(郡山市)=福島県。

　〈復興賞〉
　▽浅野撚糸株式会社双葉事業所フタバスーパーゼロミル・エアーかおる双葉丸(双葉町)=浅野撚糸▽haccoba浪江醸造所(浪江町)=haccoba▽双葉町役場(双葉町)=双葉町。


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