「オメンター」で就活準備/等身大の自分さらけ出す
人材総合サービスのマイナビによる一風変わった大学生対象のキャリア支援講座が注目を集めている。SNS(交流サイト)を中心にマイナスイメージに捉えられがちな「匿名性」を逆手に取り、現実空間でお面を着けて顔を隠した状態でグループディスカッションする「OMEN-TOR(オメンター)」を開催し、参加者からは「本音で話し合える」と好評を博している。
3月25日、東京都中央区の歌舞伎座タワー内にあるマイナビPLACEで開かれた講座には大学2年生ら約40人が参加。「人は本音を話すとき、つい相手の表情をうかがいがちだが、お面を着けることで、話がしやすくなる」。マイナビキャリアデザイン支援推進課の三浦明日香課長は、顔を隠すことで本音が出しやすくなる人間の心理を生かしたプログラムだと説明する。“等身大の自分”をさらけ出しながら長所や短所を議論して、就活本番に向けた自己分析に役立ててもらうことを狙う。
学生は会場に到着し、席に着いた時点からお面を着用。その後、4人一組のグループに分かれて自身の短所に関するネガティブなエピソードを発表した。「知ったかぶりをしてしまう癖があり、話についていけなくなった」「飽きっぽい性格で物事が続かず、すぐに他のことに関心が移ってしまう」といった自身の性格に起因したエピソードを披露した。
その後、そのエピソードに対して、自分では気が付かなかった長所がないかを考え、互いに指摘し合った。例えば「飽きっぽい性格は裏を返せば広くさまざまなことに興味があるということではないか」などの意見が出た。さらに、その長所が今後の学生生活や就職活動に生かせないかという点まで議論を広げた。
プログラム終了後、学生に感想を聞いてみると、「まさに普段使っているSNSの実写版のようだった」「顔を隠すと本音で話がしやすかった」など率直な思いを語った。
建設関係の学部からは2人が参加した。業界のイメージを問うと、「建設業はブラックという話を聞く。休みが少なく、残業時間も長いイメージだ」と厳しい意見が返ってきた。会社にどういうことを求めているかを問うと、「働きやすく、やりがいもある仕事を一番魅力的に感じている」とのこと。
一方、工学院大学建築学部2年生の杉崎初姫さんは、親戚が設計事務所を経営していることもあり、現時点で既に建設・建築業界の会社への就職を志望しているという。その上で、「休日や福利厚生、コンプライアンス(法令順守)を重視する企業を希望している」と明かし、「働き方改革などもあって、福利厚生も充実し、年間休日も他業種と比較しても遜色なくなってきているのではないか」と期待を寄せる。
業界でも働き方改革は進んでいる最中だ。ただ、就業経験がない学生にとっては、イメージがどうしても先行する。業界でも快適な労働環境の実現に向けた機運が高まっていることをいかに学生にPRしていくかが人材確保の大きな鍵を握っている。

