宮城県建築士事務所協会（栗原憲昭会長）は10日、仙台市内のアエルで第23回みやぎ建築未来賞の表彰式を開いた。最優秀作品となる大賞は、高校生の部が石巻工業高校の佐々木彩花さんと後藤明日香さんの『dorado　flor　isra』、専門学校・大学校の部は東北文化学園専門学校の熊谷智喜さん、田苗真悟さん、佐々木美穂さんの『ymgt－legacy』がそれぞれ選ばれた。
　今回の共通テーマは「私たちの未来～公共施設の複合を考える～」に設定。県内の工業高校4校および専門学校・大学校2校から計19作品の応募があった。
　表彰式の冒頭、あいさつに立った栗原会長は「応募された作品からは、先生方の協力を得ながら、休日の時間も費やして作品づくりに励んでくれた熱意を感じた。審査員からも素晴らしい評価ばかりだった」とした上で「この表彰が進学の推薦や就職につながったという声を耳にしている。建築家のプロ集団として、次世代を担う若い人たちに貢献し、建築を学んでもらうためにも、今後も表彰を継続していきたい」と語った。
　この後、表彰状の授与で栗原会長が大賞を受賞した佐々木さんらに「離島・金華山を建設地に選定した素晴らしい提案だった。ぜひ、設計事務所に就職して実現してほしい」と呼び掛け、熊谷さんらには「在住している山形県について、緻密な調査を基に練り上げられた作品だった」と評価を述べ、それぞれの代表者に表彰状などを手渡した。
　大賞を受賞した『dorado　flor　isra』は、石巻市の離島・金華山に宿泊施設とプール、レストラン、足湯などからなる集客・宿泊施設。
　『ymgt－legacy』は、山形市中心部のオフィス街にレストランやスーパーなどの商業機能と児童館や学習館の子育て機能などからなる六角形の複合施設、これに併設する駐車場・居住スペースの別棟を提案した。

　大賞以外の入賞作品は、次のとおり（敬称略）。
　〈東北地方整備局長賞〉Evolutionary　theory＝阿部慎太郎、熊谷将汰、紺野夏海、佐々木勇亮（東北文化学園専門学校）。
　〈県知事賞〉Advance～復興と前進～＝齋藤光一、佐々木僚太（石巻工業高校）。
　〈県教育委員会教育長賞〉four　quarter＝a　subway＝折原はる（仙台工業高校）。
　〈仙台市長賞〉FAN　FAN　PARK＝浅野剛志、小野寺爽風、中里瑞希、松本一馬（東北文化学園専門学校）。
　〈市教育委員会教育長賞〉CONNECT＝木村和仁、引地海登（石巻工業高校）。
　〈県建築士事務所協会賛助会会長賞〉普遍する美術館＝菅野汀紗（白石工業高校）。
　〈同仙台支部長賞〉非日常空間～施設から生まれる繋がり～＝山口優花（仙台工業高校）。
　〈特別賞〉自然・動物・人々の生きる未来＝高橋南、高橋仁（東北職業能力開発大学校）▽学融楽－GaKu　You　RaKU－＝粟野結衣、佐々木那奈、館澤花奈、宮本真凜（古川工業高校）▽BLOOMING～いしのまきから世界へ～＝菅野颯人、浜畑哲平（石巻工業高校）。

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