【建物ロングライフ化】「ハイブリッドクイック工法」にBELCAが初の"特に優れた"認定 | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【建物ロングライフ化】「ハイブリッドクイック工法」にBELCAが初の“特に優れた”認定

外壁タイルを確実に補修

 ロングライフビル推進協会(押味至一会長、BELCA)が行っている「優良補修・改修工法等評価事業」で初めて、「特に優れている」評価としてホリ・コン(東京都港区、堀宏一郎社長)と大和ライフネクスト(東京都港区、石崎順子社長)が申請した「ハイブリッドクイック工法」が評価取得した。
 優良補修・改修工法等評価事業は、工法の開発促進と、補修・改修工事への普及を目的に、先端的な材料・工法や設備機器などを評価する。経済性、保全性、施工性、環境性の4分野について第三者の立場で評価し、評価結果を公表・周知している。
 事業では、これまでに3件の技術に「優れている」という評価を与えているが、今回の工法には、適用後の安定した実績や品質管理体制を評価して、初めて「特に優れている」評価を与えた。

機能イメージ図

 ハイブリッドクイック工法は、経年劣化した外壁タイルを確実に補修する工法で、専用のドリル、樹脂注入ノズル、ピンで構成され、建物の躯体、モルタル、タイルを確実に固定する技術。ドリルは、ピンを打つ孔をあけるときに発生する粉塵を、循環する冷却水で除去・回収する。穿孔後のエポキシ樹脂注入は、専用のノズル先端が樹脂の注入圧で伸長し、孔の先端から着実な注入が可能だ。
 キャップを一体化したピンで、従来必要だった樹脂の硬化待ち、パテ埋め、研磨、塗装という4工程が、ピンを押し込むだけで完了する。適用実績は、文化財、公共施設などを始め1675棟に達する。
 田中淳専務理事は「この評価制度は、建築物を長く大切に持たせたいという趣旨で行っている。審査は、標準的な工法に比べて特に優れているものに与えている。技術を現場で確実に生かす施工体制も含めて評価している」と話す。
 工法を開発したホリ・コンは熊本地震の際に、県内で技術提供したすべての物件の被害調査を行っている。「いち早く現地で調べて、技術を検証する姿勢もよかった」(田中専務理事)と審査の状況について話す。
 評価委員会は、坂本功東大名誉教授が委員長を務めている。評価技術は、機関誌やホームページへの掲載のほか、BELCA資格者への周知もされる。
 ホリ・コンの堀社長は取得について「この評価を機に、今後も社会の安全・安心に役立つ工法や開発を進めていきたい」と話している。
 BELCAは、評価事業へのエントリーを随時受け付けており、「ぜひチャレンジしてほしい」(田中専務理事)という。

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