【金蛇水神社リノベコンペ】最優秀は「金蛇水テラス」! 拡張性ある空間つくる大屋根増築を提案 | 建設通信新聞Digital

4月17日 水曜日

公式ブログ

【金蛇水神社リノベコンペ】最優秀は「金蛇水テラス」! 拡張性ある空間つくる大屋根増築を提案

最優秀作品の提案模型

 日本建築家協会東北支部宮城地域会(JIA宮城、辻一弥会長)は6日、仙台市内のせんだいメディアテークで金蛇水神社参拝者休憩所リノベーションコンペの公開審査会を開いた。1次審査を通過した8作品から齋藤和哉建築設計事務所の齋藤和哉代表と東北工業大大学院の高橋雅人さんの「金蛇水テラス」を最優秀作品に選定した。公開審査は、7日まで3日間にわたって建築に関するさまざまなプログラムを展開したアーキテクツウィーク2017の一環で行った。
 公開審査は、委員長を務める辻会長を始め、同神社の高橋美由紀宮司と高橋以都紀禰宜(ねぎ)、映画監督の浜野安宏氏らが担当した。
 宮城県岩沼市三色吉字水神に鎮座する金蛇水神社は、地域の水にかかわる霊場として古くから住民に親しまれている。
 今回のコンペの対象は、境内にある1989年に完成した参拝者休憩所で、別棟のトイレも含めてリノベーションするもので、神社の特徴や地域性などを踏まえつつ、座席数の増加やカフェ機能の充実などについての提案を求めた。
 最優秀の「金蛇テラス」は、既存施設をカフェにリニューアルするとともに、建物の周囲に藤棚状の大屋根の増築を提案した。大屋根は、近接する牡丹園や境内を流れる沢の水源地などと結ぶ誘導路とするほか、拡張性のあるオープンスペースや休憩・憩いの空間として生かせる。

(左から)辻会長、齋藤代表、高橋さん

 プレゼンテーション後の審査結果発表では、辻会長が最優秀1作品と優秀賞2作品をそれぞれ選定し、表彰状を代表者に手渡した。
 このうち、最優秀については「決め手は、実際に建てた後の使い勝手の良さを感じ取れたことだった」と評価した。
 齋藤代表は「非常に歴史ある神社だ。一過性ではなく、地域に長く根差した建物にしたい」と謝辞を述べた。
 今後、齋藤代表は高橋宮司らと2018年1月の神社本庁役員会までに事業計画を詰めていく。計画承認を経て、5月から12月中にも整備する予定だ。
 優秀賞の受賞作品と受賞者は次のとおり(敬称略)。
 ▽杜の前庭=河内一泰(河内建築設計事務所)▽参道を彩る縁側カフェ=手島浩之(都市建築設計集団/UAPP)。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら