【東京外環】三郷南IC~高谷JCT開通! 「3環状」は外環東京区間、圏央道横浜区間を残すのみ | 建設通信新聞Digital

4月19日 金曜日

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【東京外環】三郷南IC~高谷JCT開通! 「3環状」は外環東京区間、圏央道横浜区間を残すのみ

 東京外かく環状道路(外環道)の三郷南IC~高谷JCTが2日、開通した。「外環千葉県区間」は1969(昭和44)年の都市計画決定から約50年、半世紀を経て実現した。遅れていた3環状道路整備も、外環道では大泉JCT~東名JCTなど東京区間を残すのみ。ネットワーク整備によるさらなる効果に期待が集まる。

開通式典

 首都圏の道路交通の骨格として63(昭和38)年に計画されたのが、「3環状9放射道路のネットワーク」だ。東京・皇居周辺を中心に放射状に伸びるのは南西部から時計回りに、▽湾岸道路▽第三京浜▽東名高速▽中央道▽関越道▽東北道▽常磐道▽東関東道▽館山道--の9放射道路。

3環状道路の整備状況(黄色は開通済み、赤は未開通)

 この9放射道路を環状でつなぐのが、都心から8㎞範囲の「首都高速道路中央環状線」、15㎞圏域の「外環道」、40㎞から60㎞圏域の「首都圏中央連絡自動車道(圏央道)」という3つの環状道路。
 昭和の高度経済成長期に計画された3環状9放射道路ネットワーク構想だが、まず全国各都市と首都圏をつなぐことを優先したことで、東名、中央、関越、東北道といった放射状の高速道路の整備は進んだが、環状道路整備は遅れた。そのため、都心を通過しなければ他地域に行くことができず、慢性的な交通渋滞を招く結果となった。

3環状9放射道路のネットワークが完成すれば、渋滞緩和のほか地域活性化などの経済効果も期待される

 その後、中央環状線が全線開通、さらに外環道も2日に千葉県区間開通によって、残りは大深度地下の大口径シールド+地中で分岐・合流する地中拡幅という世界でも例がない最大難関工事となる、「大泉JCT~東名JCT」など東京区間だけとなる。また、圏央道についても千葉県内一部区間を除くと、横浜湘南道路と高速横浜環状南線が整備されれば湾岸道から東関東道までの放射道路と接続することになる。

◆インフラのストック効果/道路、治水、鉄道整備投資喚起し地域活性化
 道路などインフラ整備の効果として近年重視されるようになったのが、渋滞緩和といった生活利便性向上のほか、物流関係を筆頭にした広域交通にかかる時間の短縮と定時性向上に伴う効率的・経済的メリット、いわゆるインフラストックの経済効果だ。過去にはインフラ整備に対し、投資に伴う直接効果としてB/C(費用対効果)指標が持ち出されるケースも多かったが、近年はさまざまなインフラ整備が相乗効果を生み、その結果、ストック効果も渋滞緩和や時間短縮・定時性向上のほか、工場立地といった企業の新たな設備投資のほか、定住人口増加につながる商業・住宅整備など多様な効果が生まれ始めている。
 代表例が、圏央道の高尾山IC~相模原愛川IC開通に伴って東名、中央道、関越道、東北道が圏央道と結節したことで、物流施設や工場立地といった民間投資拡大と雇用創出をもたらし、産業集積と定住人口拡大につながった、相模原市だ。リニア中央新幹線の新駅設置も予定され、地域活性化につながる効果への期待は、神奈川県の相模原市と隣接する東京都の八王子市や町田市などにも波及している。
 一方、環状道路である国道16号と放射状道路である国道4号が結節する地の利と、首都圏外郭放水路という治水整備で河川氾濫(はんらん)リスクを最小限まで抑え込んだことで建築需要や企業立地が増加したのが、埼玉県春日部市。道路や治水などインフラ整備の効果が市内の地価向上などさまざまな部分にまで波及している。

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