【革新的な省エネ】国立新美術館にも採用! 「スプレーガン特許工法」であらゆる形状のガラスを遮熱 三ッ輪産業  | 建設通信新聞Digital

4月26日 金曜日

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【革新的な省エネ】国立新美術館にも採用! 「スプレーガン特許工法」であらゆる形状のガラスを遮熱 三ッ輪産業 

 「革新的な省エネ商品として需要が見込める」と、三ッ輪産業(東京都目黒区)の岩田雅典経営戦略本部ディレクターは力を込める。同社が材工一体で販売するガラス特殊コーティングは、独自のスプレーガンを使い、ガラス面に赤外線や紫外線を吸収・カットする伝導性金属酸化物をむらなく結着させる特許技術。夏は赤外線を吸収・カットするため室温の上昇を抑え、冬は室温の熱が逃げにくいため暖かく、結露も抑える。「美術館、コンビニエンスストア、飲食店など既存、新築にかかわらず多様な物件に導入し、好評を得ている」と自信を示す。当面は年間100件の受注を目標に据える。

独自のスプレーガンを使い伝導性金属酸化物をむらなく結着させる

 これまでの遮熱用商品には課題が多かったという。窓を遮熱する場合は、塗料を使えば液だれや曇りが発生することも多く、透過性を維持することが困難だった。フィルムを使っても、数年ではがれる可能性や貼り替えによるコスト増がネックとなる。いずれも、高度な施工技術を要することが壁でもあった。
 同社のガラス特殊コーティングは、スポンジや刷毛ローラー、流し込みなどの施工方法をとる他社のコーティングとは違い、独自のスプレーガンで吹き付ける「スプレーガン特許工法」で施工するため、塗装効果は一律。金網入り、巨大、曲面、型板、ブロックなどあらゆる形状のガラスに施工できる。赤外線は約70%、紫外線は約90%カットできる高い遮熱効果を発揮しながら、可視光透過率は84.7%と高く、ショールームなどに施工しても室内が明るく美しく見える特性がある。
 他社のコーティングはバインダーが樹脂のため白濁することが多い。加えてフィルムタイプは、接着剤の分解により劣化が早いのに対して、ガラス特殊コーティングはガラスと同じ膨張率で耐久性が高い。耐久性表記は10年としているが、岩田氏は「貼り替え不要の“ノーメンテ”で半永久的にもつ」と自信をのぞかせる。

ほぼ透明で日射を反射せず、ヒートアイランド現象を起こす心配もない」と岩田氏

 こうした高機能を維持しながら、削減電気料金から工事費を回収するまでの期間は、平均3・4年と短いのも特徴だ。従来は高コストがかかっていた窓からの遮熱を安価で実現する、まさに「革新的商品」(岩田氏)と銘打つ。
 本格的に販売を始めたのは2016年。17年には、コーティングの製造・開発を担当するフミン(福島市)とさらなる普及を目指して業務提携した。近年加速するリフォーム需要も追い風に、これまでエネルギー供給事業の中で培った販売網と施工力を武器に、関東圏を中心に導入が広がっている。
 既に国立新美術館(東京都港区)や、「ザ・リッツカールトン沖縄」(沖縄県名護市)などに採用され、各地のコンビニエンスストアにも導入実績がある。「ロールスクリーンを下ろす必要がなくなり店内を見渡せるため、コンビニの重要課題といえる防犯にも役立っている」と、ユーザーからの評価も上々だ。

国立新美術館にも採用された

 標準価格(材工一体)は1㎡当たり1万4001円から。販売目標は年間100件だが、工場、スーパー、オフィスなど多様な物件をターゲットに置く。岩田氏は「ガラス入れ替え時の相談にも手ごろな価格で提供を続けたい」と話す。
 問い合わせは経営戦略本部・電話03-6451-0365。

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