日本建築家協会近畿支部(JIA近畿、井上久実支部長)は13日、第12回関西建築家新人賞の受賞者を発表した。外壁の杉板鱗張りと彫刻的な造形が印象的な「佐井寺のハナレ」を設計した出江潤氏(浅野・出江建築事務所)と、京都特有の細長い敷地に金属工芸のアトリエ、カフェ、住宅の機能を無理なく詰め込んだ「houseA/shopB」を手掛けた木村吉成氏(木村松本建築設計事務所)の2人を選出した。
houseA/shopB(京都市)は、木造軸組と木造ラーメン構造を組み合わせ、上賀茂通りに沿った町家の敷地に3つの要素を盛り込んでいる。外装にガラスやFRPの折板を活用して採光し、明るい空間を実現している。
14日に滋賀県近江八幡市で開いた会見で出江氏は受賞に対し「うれしい一方で、身の引き締まる思い。今後も持続性のある作品をつくっていきたい」と話した。木村氏は「作品をつくるたび不安にさいなまれる。こうやって第3者に評価していただけることは大変光栄なこと」と喜びを語った。
井上支部長は「建築家の顕彰は支部にとって重要な活動。これを内輪だけにとどめず、外部に発信していきたい。受賞された2人には、これを機に支部活動に積極的に参加してほしい」と声を掛けた。