日本建築家協会近畿支部(JIA近畿、井上久実支部長)は9日、大阪府東大阪市の近畿大学実学ホールで学生卒業設計コンクールの公開プレゼンテーション(協賛=総合資格、近畿大学)を開いた。2次審査に進んだ8作品の中から、具志堅美菜子さん(神戸大)の「つなぐ境界-米軍居住地と沖縄市街地を編む」を最優秀賞に選定した。また、優秀賞は稲田浩也さん(京大)の「ほんやら洞-積雪による形態変化」と越智誠さん(神戸大)の「ぶどう荘」が選ばれた。
審査委員長を務めた江副敏史氏(日建設計)は、2次審査全体について「表現がバラエティーに富んでいて面白かった。プレゼンテーションのレベルも高かった」と講評。最優秀作品については「沖縄の問題に真摯(しんし)に取り組んだ優れた作品。意匠から図面の表現までよく気が配られており、『建築らしさ』を感じた」と評価した。
最優秀、優秀以外の2次審査作品と設計者は次のとおり(敬称略)。
▽混成都市-この公共空間は経済の流れと反比例する=井上雅也(神戸芸術工科大)。
▽漂う大地=高橋あかね(京大)。
▽この世は舞台であり、人はみなその役者にすぎない=朝永詩織(大工大)。
▽TRINITY-建築における地形の再構築=中林顕斗(大阪市大)。
▽「つながりから学び舎」-失われた教科書とこれからの黒板=水谷卓海(滋賀県大)。