日本感性工学会(庄司裕子会長)は4日、東京都文京区の東京大学理工学部2号館で「かわいい感性デザイン賞」の表彰式を開いた。最優秀賞は、大成建設が設計・施工を手掛けた「社会医療法人真美会中野こども病院」が受賞した。
中野こども病院は、大阪市旭区新森4-13-17に2015年6月に完成した。民間の小児病院としては国内最大級の79床を備える。
病院内は、3層吹き抜けの空間「光の塔」や自然光が入り込む待合ひろばを設けた。また「入りたくなる診察室・怖くない検査室」をコンセプトに、診察室の入り口の扉に動物の前半身を隠した姿を描くなど、子どもの好奇心や想像力を誘う仕掛けを施した。
大成建設設計本部建築設計第一部の大塚隆光プロジェクト・アーキテクトは「コンパクトな病院の中に、いかに子どもが怖がらない空間をつくるかということを心掛けた。建築で病気を治すことはできないが、治癒力や教育を取り込めないかと考え、色や数字、動物を覚えられるような内装・カラースキームを散りばめた」と語った。
かわいい感性デザイン賞は、日本を起源とする“かわいい”という感性価値がマーケティング効果にも影響を及ぼしていることを背景に、優れたかわいいプロダクトを表彰する。