【建築家講演会】映画『摩天楼』で建築家を志した椎名英三氏 「空間を語る-秋の夜長の建築の夢」 | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【建築家講演会】映画『摩天楼』で建築家を志した椎名英三氏 「空間を語る-秋の夜長の建築の夢」

 大阪府建築士会(岡本森廣会長)は7日、大阪市の府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)で建築家講演会「空間を語る-秋の夜長の建築の夢」を開催した。会員ら約50人が参加した。建築家の椎名英三氏が幼少期から今日まで影響を与えてきた映画や書籍、宇宙への憧れを自作の詩を交えて紹介した。

椎名英三氏

 建築家が主人公の映画『摩天楼』(1949年)を深夜テレビで見て建築家を志した椎名氏。「この映画から自分の信念を貫くことの大切さを学んだ」と話した。
 影響を受けた書籍としてフランク・ロイド・ライトの『ライトの遺言』を挙げ、「大学の図書館で借りて読んだ。ページをめくるたび共感の連続で、ずっと手元に置きたいと思った。『建築の本質は屋根や壁ではなく、内部の空間である』という一文が最も印象に残っている。卒業前に泣く泣く返却したが、すぐに買い直した」と振り返った。
 宇宙へのあこがれは幼少時代から抱いており「宇宙には僕らの想像を絶する広がりがある」と語る。SF作家・アーサー・C・クラークの作品で、鯨が跳ねる水平線を眺めて登場人物が「宇宙広しと言えど、これほどの広い空間はない」と語った一節を紹介し、「人の視界に映る水平線までの距離は4.4㎞に過ぎないが、見えないところには無限の空間を感じさせる。こういった『自然の感覚』を携えた建築をこれからもつくっていきたい」と締めくくった。

作品を交え竹山聖氏とディスカッション

 後半は竹山聖氏と作品を交えてディスカッションした。
 この講演会は14、20日にも開催する。14日は竹山氏、20日には大西麻貴氏(大西麻貴+百田有希/o+h)が講師を務める。ディスカッション相手は14日が大西氏、20日は椎名氏が担当する。

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