【関東整備局・東京建設業協会】ICT河川浚渫工研修会を開催 実際の現場で見えたものとは? | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【関東整備局・東京建設業協会】ICT河川浚渫工研修会を開催 実際の現場で見えたものとは?

 関東地方整備局荒川下流河川事務所と東京建設業協会(東建、飯塚恒生会長)は27日、河川浚渫工に同局で初めてICT活用施工を適用した工事現場で、東建会員向けの研修会を開いた。発注者側を含め計32人が参加し、今後拡大が見込まれるICT河川浚渫工の先駆的な事例を学んだ。

現場を見学する参加者

 研修会は、同局の「“地域インフラ”サポートプラン関東2017」に基づく取り組みで、整備局が現場を提供し、地域建設業協会が施工者と連携して開催している。
 今回の現場は、荒川下流河川事務所が発注し、若築建設が受注した「H29荒川左岸臨海緊急用船着場浚渫工事」(東京都江戸川区)。受注者希望型のICT活用工事で、現在、3月中旬の完了に向けて大詰めを迎えている。浚渫土量は約1万4000m3。
 開会に当たり、同事務所の齋田紀行副所長は「初めての試みということもあり、工事を進めながら受発注者で勉強会を開き、課題に対応している」と状況を説明した。
 この現場では、3次元起工測量に音響測深機器(ナローマルチビーム)を採用。計測、発注図の各データから3次元設計データを作成し、マシンガイダンス(MG)バックホウで施工している。3次元出来形管理の方法には、施工履歴データの使用を選択した。
 参加者は実際の施工現場のほか、離れた場所にある詰め所にいながら、リアルタイムに施工状況を確認できるモニタールームなどを見学。若築建設の柿本政二監理技術者は、施工中の出来形確認のための深浅測量が不要になり、連続作業が可能になったことや、バックホウ周りの作業者不要による安全性向上、施工精度のアップによる余分掘削の回避などをメリットに挙げた。
 同事務所によると、ICT施工の基準類は現在、陸上で行う土工などがベースになっているため、風や波、潮の影響を受ける河川浚渫の実態に即した修正などが課題点として浮上。例えば、毎日1回行う静止状態におけるICT建機の精度管理(キャリブレーション)では、既知点またはTS計測値との水平・標高較差は各プラスマイナス50mm以内と定められているが、船の「静止状態」の定義や基準値の緩和が求められるという。

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