【JR西日本】「未来駅」うめきた イノベーションチャレンジ 最優秀に輝いた「技術ビジョン」とは? | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

公式ブログ

【JR西日本】「未来駅」うめきた イノベーションチャレンジ 最優秀に輝いた「技術ビジョン」とは?

 2023年春開業予定の「うめきた地下駅(仮称)」。開発を進めるJR西日本は、同駅に導入する最先端技術やアイデアをコンペティション形式で募集した。最終選考に進んだ10者によるプレゼンテーションが9日、大阪市の同社本社で行われ、審査の結果、3作品が入選した。
 「UMEKITA INNOVATION CHALLENGE(ウメキタ・イノベーション・チャレンジ)」と銘打ったこのコンペは、同駅を舞台に「今までにないわくわくを提供するサービス」がテーマ。企業や個人などから236件の応募が寄せられた。
 うめきた地下駅は大阪駅北地区(うめきた)の西側を縦断する「東海道線支線」地下化工事の一環で建設中の新駅。開業後は特急「はるか」や「くろしお」が停車する予定で、関西国際空港へのアクセス性向上といった効果が期待されている。
 同社は18年3月に発表した「技術ビジョン」の中で、うめきた地下駅をシームレスできめ細かいサービスを提供する「未来駅」と位置づけていることから、今回アイデア募集プラットフォーム「Wemake(ウィーメイク)」を活用し、駅や周辺エリアにさらなるにぎわいを生み出すことができるサービスのアイデアを募集した。
 JR西日本の社員らによる審査の結果、最優秀に輝いたのは投稿者名「Hal」こと米国在住の会社員・鈴木晴也さんが提案した「インタラクティブプロジェクターを活用したアイランド型券売機」。プロジェクターとセンサーを組み合わせたインタラクティブ機能で駅の壁やカウンターに投影された駅名や新幹線の座席をタッチし希望の乗車券を注文、決済できるサービス。「みどりの窓口のスタイルを変える」斬新さなどが評価された。
 カリフォルニアからインターネットを通じプレゼンに参加した鈴木さんは「このアイデアを通じ、人の移動や旅をもっとわくわくさせることができれば」と受賞の喜びを語った。

最優秀の「インタラクティブプロジェクターを活用したアイランド型券売機」


 優秀賞は、「ビーコンを内蔵した点字ブロックで、うめきたに出会いと笑顔が溢れる!」。駅の点字ブロックに内蔵されたビーコンと視覚障害者がもつ携帯端末が反応しバリアフリールートを音声で案内する仕組みで、埼玉県在住のワークショップデザイナー・タキザワケイタ(瀧澤啓太)さんが提案した。
 このほか特別賞には「Kanako」こと横浜市在住の会社員・本射嘉那子さんが提案した、ICカード改札機のタッチ音が変化しメロディーを奏でる「改札前の嫌な混雑がちょっと楽しくなる改札機タッチ音階システム」が選ばれた。
 JR西日本は、今後これら入選作品の提案に基づき、実証実験を含めた導入検討を進める。審査に当たった野々村一志鉄道本部技術企画部担当部長兼オープンイノベーション室長は「10件とも素晴らしいアイデアで、われわれも刺激を受けた。技術的課題もあるが、さまざまな知恵や意見に基づいて未来の駅を実現させたい」とアイデア実現に向け意気込んだ。
 入選作品を除く最終選考作品は次のとおり(敬称略)。
 ▽スマート構内放送サービス(Takumi Tajima)▽スマート観光案内コンシェルジュで「観光/旅行」を革新する(石黒祐)▽おせっかいSTATION(とら)▽混雑回避デジタルフットサイン(Kdkzyn)▽タイムマシーンにのって過去と未来の大阪へ!(Baroque Japanesque)▽「人と人」「人と場所」「つなげる」「場所と場所」をつなげる新たなコミュニケーションスペースの創造(野里允昭)▽AMEBA CHAIR 人に合わせて形状を変える体組成のわかる休憩所(香月真大)。

プレゼン後に全員で記念撮影

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら