【九州整備局筑後川河川】水理模型を使い複雑な川の流れを検証 2017年豪雨災害復旧本格化へ | 建設通信新聞Digital

5月4日 土曜日

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【九州整備局筑後川河川】水理模型を使い複雑な川の流れを検証 2017年豪雨災害復旧本格化へ

 九州地方整備局筑後川河川事務所は、権限代行事業で進める2017年九州北部豪雨の河川等災害復旧で、被害が大きかった赤谷川など3河川の合流点周辺の最適な河道計画を検討している。福岡県久留米市の同事務所敷地内に設置した大型の水理模型で実験を重ねており、19年度から最良案に基づいた復旧事業を本格化させる。
 赤谷川と乙石川、小河内川の3河川の合流点は、大きな湾曲や急勾配により流速が早く、17年豪雨では大量の土砂や流木も相まって、氾濫し、松末小学校など流域に甚大な被害を及ぼした。
 同事務所は複雑な川の流れを読み取るため、水理模型による実験を通し最適な河川計画を検討している。模型は長さ70m×幅50m×高さ3mの3次元固定床模型で縮尺30分の1となる。赤谷川は、筑後川との合流点から上流へ2.5㎞地点~4.1㎞地点の長さ1.6㎞、乙石川は赤谷川合流点までの長さ0.9㎞、小河内川は赤谷川合流点までの長さ0.2㎞を対象にした。
 急な湾曲区間を緩やかにし、川幅を広げ、落差工を施した計画案を模型で再現し、17年豪雨の流量となる毎秒400m3を流し、水位や流速、土砂堆積状況などを調査している。一部、対流や越水なども見られるため、改良を繰り返し、最良案を確定させる。3月30日には住民らを対象にした模型による説明会を開いた。
 河川等災害復旧の事業期間は21年度まで。
 事業のスピードを上げるため、出水期間中も工事を進められるよう、河川の切り替えなどの手法も検討に挙がっているという。

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