【三井住友建設】IoT活用でPCa工場製造プロセスを最適化 今後はオートメーション化などへ | 建設通信新聞Digital

5月1日 水曜日

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【三井住友建設】IoT活用でPCa工場製造プロセスを最適化 今後はオートメーション化などへ

 三井住友建設は、超高層マンションなどに使うプレキャスト(PCa)部材の製造工場で、IoT(モノのインターネット)による製造ラインの稼働状況と生産実績の可視化で、製造プロセスを最適化する製造管理システム「PATRAC-PM(パトラック―ピーエム」を開発し、SMCプレコンクリート茨城工場に導入した。

PCa工場の製造ライン

 システムの特徴として、Bluetoothをベースとした電波の到達角度による測位技術である「Quuppa Intelligent Locating System」を利用して、工場建屋天井にLocator、測位対象(人、クレーンなど)にBLE(Bluetooth Low Energy)タグを取り付け、各作業工程の部材ごとの作業時間や作業員ごとの移動履歴などを1秒間隔、誤差50cm程度で高精度に自動収集できる。
 収集された生産データは、PCa部材完成後、独自開発したBIツール(ビジネスインテリジェンスツール)によって自動集計され、適宜画面表示されるとともに生産実績として蓄積されていくことで、工場全体のマクロな生産状況から一作業のミクロな状況までを簡単に評価し、見直すことが可能だ。
 また、 日々の生産実績の数値化・グラフ化により、作業の効率化、 労務の平準化、生産性向上のための各種分析を容易に行うことができる。製造日時、製造ライン、製造ベッド、 部材種別、個別作業員などの影響因子ごとに、製造にかかった時間などを絞り込み、 生産改善が可能なポイントの抽出に活用できる。
 今後、同社グループ会社を含めて全国に5カ所あるPCa部材の製造工場の強みとし、高品質化と生産性向上のために、次世代PCa生産管理システム「PATRAC」の開発に注力し、ICT・IoTの積極的な活用によるPCa製造工場のオートメーション化やPCa部材の自動化施工を進めていく。

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