【タワークレーン揚重作業の運転支援】BIMをデータ活用 三井住友建設・IHI・IHI運搬機械 | 建設通信新聞Digital

4月20日 土曜日

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【タワークレーン揚重作業の運転支援】BIMをデータ活用 三井住友建設・IHI・IHI運搬機械

 三井住友建設は、IHI、IHI運搬機械と共同でタワークレーンの揚重作業における安全性と生産性を向上させる運転支援システムの開発に着手した。BIMデータを活用したデジタル化の推進で、揚重作業の生産性アップと熟練オペレーターの不足による安全性への懸念に対応していくことが狙い。システムの実証などを経て、早期の現場導入を目指す。

システム全体イメージ

 BIMデータやプレキャスト(PCa)部材データ、取り付け位置や順序などの作業工程の統合データを一元的に管理する「施工情報システム」と、クレーンの自動化技術を連携させることで、これまで現場単位で個別に計画して手動で行っていたタワークレーンの操作をサポートする。

 クラウド上に構築した施工情報システムに登録されたBIMデータを基にした施工計画情報(PCa部材データ、取り付け位置や順序など)を活用して、現場に搬入されるPCa部材の最適な揚重経路を自動で生成。自動生成された揚重経路をタワークレーンの制御データとして活用することで、設置位置上空までの「自動誘導」を実現する。

 超高層マンションの建設でPCa部材を用いたスクライム工法や最短3日で1フロアの躯体を構築するシステム施工法(DOC工法)などの独自技術を持つ三井住友建設だが、建設現場での部材情報や作業工程の確認は個別の図面や表を用いて行っているため、一層の生産性アップに向けてデジタル化の推進が必要と判断した。

 新たにBIMデータを活用した施工計画や現場管理のデジタル化と、それらの統合データを活用したタワークレーンの運転支援システムの開発に取り組むことで、オペレーターの負担軽減と現場でのタワークレーン操作の安全性・生産性を高めていく。

 稼働データをクラウド上に収集することで工事の進捗がリアルタイムに可視化されるため、現場や本支店、製造工場での情報共有を進めることで、さらなる生産性アップに役立てていく方針だ。



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