【NIPPOら】ワイン製造時の搾りかすを有効活用! 有機酸を使った微生物活性化剤を商品化 | 建設通信新聞Digital

5月14日 火曜日

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【NIPPOら】ワイン製造時の搾りかすを有効活用! 有機酸を使った微生物活性化剤を商品化

 NIPPOは、JXTG、シナプテック(甲府市、戸田達昭社長)、アバンス(神奈川県茅ヶ崎市、山口和昭代表)と共同で、ワイン製造時に発生するぶどう搾りかすを利用したVOC(揮発性有機化合物)分解微生物活性化材「GRM(Grape Recycle Material)」を開発、商品化した。扱いが難しい不均一な搾りかすを製品化した点が特徴で、室内試験・野外試験で搾りかすに残された有機酸が微生物の活性化に有効であることを確認している。
 同製品は、地中に生息する微生物を活性化しVOCの分解を促進する「バイオレメディエーション」で必要となる微生物活性化剤。液体であるため使い勝手が良く、井戸などから注入するだけで簡単に施工できる。
 野外試験では、小規模事業所向けの安価な施工方法を模索してポンプなどを使用せず、農業用タンクから同製品を自然注入し地盤に浸透させたところ、浄化が進むことを確認している。分解性能は他社製品と同等以上の効果を発揮することを室内試験レベルで確認しており、地下水温が高いなど好条件な環境下では最短2カ月としている。また、食用可能な果物を原料としているため人体に影響を及ぼす有害物質を含まず、食品副産物を利用することで既存製品と比較して20-40%程度価格を抑えることができる見込みだ。
 ワイン搾りかすは山梨県内で毎年約3000t発生している。その有効活用が求められているが、質の不均一性や供給量の不安定性、集約の困難さなどの問題があったことから、一部が肥料や飼料として利用されているものの大部分は廃棄されている。
 NIPPO技術本部総合技術部技術研究所の大橋貴志研究第一グループ主任研究員は、「食品工場で余っている材料などを原料としたVOC分解微生物活性化剤は従来からあるが、これまで捨てるしかなかったようなものからつくった製品はこのGRMだけと自負している」と語る。
 今後、低環境負荷・低コストをPRし、2019年度は掘削除去など他工法との併用を含めて1億円の工事獲得を目指す。

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