【第29回全国女性建築士連絡協議会】テーマは「和の伝統技術継承」 約250人が認識を共有 | 建設通信新聞Digital

5月4日 土曜日

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【第29回全国女性建築士連絡協議会】テーマは「和の伝統技術継承」 約250人が認識を共有

 日本建築士会連合会(三井所清典会長)の女性委員会(小野全子委員長)は13、14の両日、東京都港区の建築会館などで「未来へつなぐ居住環境づくり-和の伝統技術の継承と創造-」をテーマにした、第29回全国女性建築士連絡協議会を開いた。全国から約250人の女性建築士が参加し、未来に続く豊かな居住環境づくりや、和の伝統技術の継承と可能性についての認識を共有した。

約250人の女性建築士が 一堂に会した


 開会式であいさつした三井所会長は、「東京都心の再開発ビルにも和のテイストが取り込まれている。私は地方自治体の首長などに会うたびに、地域の匠の技術を取り入れてくださいとお願いしている。伝統を新たな公共建築の中で融合させ、未来につないでいくことが必要だと考えている」と、西洋的な要素と和との融合の必要性を強調した。

あいさつする三井所会長

 続いて、同連合会の岡本森廣副会長が、「建築士はもっと一歩前に出る活動に取り組むべきだと考えている。自然災害の頻発化、激甚化、ICTやAI(人工知能)の導入など、われわれを取り巻く環境が変化している中で、仕事の仕方を考えなければならない。自分の人生が最高であるような評価を社会がしてくれる。そういう活動に期待したい」とあいさつした。
 小野委員長は、「建築士に何ができるかを考え、学んで、これからの活動の糧にしていただきたい」と呼び掛けた。

あいさつする小野委員長

 開会式に続き、岩手、秋田の両建築士会が活動報告し、北海道、福島、岡山の各建築士会が被災地報告した。報告後には原田左官工業所の原田宗亮代表取締役が「和の伝統技術の継承と創造-新たなプロの育て方-」をテーマに基調講演し、同社を経て独立したmarumo工房の金澤萌氏をゲストに迎えたトークセッションが開かれた。
 14日には「被災地支援の取り組み」「環境共生住宅 心地よい暖かさを求めて」「歴史的建造物と建物再生」「会員拡大に向けた取り組み」「木造塾」「子供と住環境」「高齢社会と住まい」「クリークの再生とまちづくり」の8テーマで分科会を開き、それぞれの活動事例を交えて活発に討論した。
 2日にわたる会合の成果として、▽建築士、生活者の視点から住まい、まちづくりを考え、未来に続く豊かな居住環境づくりを目指す▽和の伝統技術の継承、可能性を再認識し、次世代の育成を目指すとともに、受け継がれてきた地域の技術、素材を積極的に活用する▽女性建築士として復興支援のあり方や地域での適切な防災活動、今後の安全な暮らしを考える▽さまざまな専門分野と連携しながら建築士としての能力を生かし、豊かな社会の実現のために日々努力する–を協議会アピールとして採択した。

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