【空飛ぶ水中測深装置】ドローン測深機による河床調査効率化・安全性向上の実証実験開始 沖電気ら | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【空飛ぶ水中測深装置】ドローン測深機による河床調査効率化・安全性向上の実証実験開始 沖電気ら

 沖電気工業は、JR東日本が設立した「JR東日本モビリティ変革コンソーシアム」でFPV Robotics(東京都渋谷区、駒形政樹社長)と共同で、空飛ぶ水中測深装置「ドローン搭載型MNB(multi narrow beam)測深機」による河床状況調査の作業効率化と安全性向上についての実証実験を開始した。

運用試作機

 コンソーシアムは、河床状況調査を対象とした測深技術を検証している。河川橋梁の維持管理のために行う橋脚付近の河床状況調査は、主に橋梁の上から錘(おもり)の付いたロープを水底まで下ろして河床の状況を測定してきたが、「測定個所が限定される」「流速が早い場合は測定精度が低下する」などの課題があった。
 沖電気工業、JR東日本、FPVの3社は、コンソーシアムのロボット活用ワーキング・グループマルチビーム測深サブ・ワーキング・グループで課題の解決に向け、MNB測深機とドローンを一体化した「ドローン搭載型MNB測深機」による河床状況調査の実証実験を推進する。
 実証実験に当たり3社は、沖電気工業グループの関係会社OKIシーテックの可搬ボート型マルチビーム測深機「CARPHIN V(カーフィン・ブイ)」の測深装置部、測定場所への移動手段となるドローンの活用を検討することとした。
 CARPHIN Vは、小型・軽量な無人船体に測深装置部を一体化した装置で、有人測量船では測定が不可能な港湾や湖沼、小規模河川などでMNB方式の深浅測量を行った実績がある。
 3社で検討した結果、CARPHIN Vの測深装置部をさらに小型化し、水空両用ドローンと一体化することで、調査対象場所へのアプローチから着水、測定対象範囲の水上航行と測深、離水、着陸までの一連のプロセスを、遠隔操作または自動制御で行うことを可能とした。これにより、橋脚付近の河床状況調査の作業の効率化を実現するとともに、安全性の向上にも役立てる。
 サブ・ワーキング・グループは今後、試作機の運用試験による課題整理や技術検証を行った上で、実フィールドでの実証実験、実運用に向けたルールなどの検討を共同で進めていく。
 沖電気工業は、ドローン搭載型MNB測深機を「CARPHIN air(カーフィン・エア)」として、2020年度第3四半期の販売開始を目指す。

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