【除雪車×スポーツチーム】担い手確保へ 全国で初、新潟県とアルビレックスがコラボで除雪車を製作 | 建設通信新聞Digital

4月19日 金曜日

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【除雪車×スポーツチーム】担い手確保へ 全国で初、新潟県とアルビレックスがコラボで除雪車を製作

 新潟県土木部は、地元サッカーチームのアルビレックス新潟とコラボレーションしたラッピング除雪車を製作した。スポーツチームと協力した除雪車は全国で初の取り組み。高齢化が進む道路除雪オペレーターの確保に向け、将来を担う子どもたちへ除雪に興味を持ってもらうよう県土木部の若手職員が提案し、実現した。今冬から長岡地域振興局管内で出動し、地域の安心安全を支える除雪作業の役割を発信する。
 製作したラッピング除雪車は、県が保有する小型除雪車にアルビレックス新潟のマスコット「アーくん」「ルーちゃん」「ビィくん」やロゴマークと、県土木部のマスコット「こめゆきくん」をあしらった。「雪に負けないぞ!」というメッセージとともに、目を引くポップなデザインとなっている。

県土木部の若手職員が提案して実現

 ラッピング除雪車は、県で2019年度から始まった若手職員による政策提案推進事業で、土木部道路管理課の20-40代の職員4人が提案した「建設産業活性化に向けた道路除雪オペレーターの人材確保・人材育成プロモーション」の取り組みによる。リーダーを務めた道路管理課雪寒事業係主任の吉田あみさんは、提案テーマの背景について「県内の除雪業者へのアンケートを見ても、オペレーターは若手が減り、高齢化していることに危機感があった」と話す。
 6月から提案の具体化へ取り組みを開始。大学関係者からの意見も参考にしながら「アルビレックス新潟の発信力を活用し、除雪の役割をPRする」(吉田さん)ため、タッグを組むことを決めた。アルビレックス新潟からも「一緒に盛り上げるため快諾をいただいた」という。
 10月28日に南魚沼市で開かれた南魚沼地域合同除雪出動式に展示し、初披露された。9日に新潟市で行われるアルビレックス新潟の試合でも会場ゲート前広場に展示し、乗車体験などを実施する予定だ。11月中旬からは長岡市桂町で歩道の除雪作業へ出動する。
 吉田さんはラッピング除雪車の取り組みについて「子どもたちに除雪に興味を持ってもらい、将来のオペレーターが増えてほしい。除雪作業は生活に欠かせないことを少しでも知ってもらえたら」と期待を寄せる。道路管理課の水上淳課長補佐も「将来的に安定して除雪をしていくためにはオペレーターが欠かせない。取り組みを通じてオペレーターを目指してくれたらうれしい」と語る。

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