【神奈川県i-Con推進連絡会】i-Con定着へ会合、課題解決に向け意見交換 受発注者一体で生産性向上 | 建設通信新聞Digital

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【神奈川県i-Con推進連絡会】i-Con定着へ会合、課題解決に向け意見交換 受発注者一体で生産性向上

 神奈川県i-Construction推進連絡会(会長・大江真弘関東地方整備局横浜国道事務所長)は1月31日、横浜市の横浜国道事務所で会合を開き、意見交換した。ICT施工は都市部や小規模現場に適用しにくいことや、BIM/CIMの活用は発注者、コンサルタント、工事関係者の対応力やパソコン(PC)環境が不足していることなどが課題に挙がった。
 同会は、関東地方整備局の横浜国道、川崎国道、京浜河川、相模川水系広域ダム管理の4事務所、神奈川県、横浜市、川崎市、相模原市、神奈川県建設業協会で構成する。大江所長は「建設業の生産性を向上させるため、受発注者が一体になって取り組んでいかなければならない」との認識を示した上で、「地場の建設業にi-Conをどのように定着させていくか、定着させるためにどのような課題を解決しなければならないのかなどを話し合っていきたい」とあいさつした。
 意見交換では、川崎国道事務所が昨年度から現在までにICT活用工事がないことを説明し、「当事務所が発注する施工現場は、現道上で交通規制を伴う現場や都市部の狭あいな現場が多く、受注者にとってICT活用によるメリットが少ない状況にある」との見解を示した。同様の都市部や小規模現場でのICT適用が難しいとの意見は京浜河川事務所、神奈川県、横浜市、川崎市、相模原市からも挙がった。
 また、神奈川県から「受注者からは『長年付き合いのある下請業者との調整の結果、従来施工を選択する』という意見や『建設発生土受入地の日当たり搬入土量に制約があるため、ICT建機のリース期間が長くなり、リース費用がかさむ』という意見が出ている」ことも紹介された。
 BIM/CIMの活用では、人材育成やPC環境整備などのほか、詳細設計業務に導入し、3次元化で構造物の干渉確認や地中構造物の近接確認が容易になるなど利点を確認したものの、「コストが大きく掛かるのが課題の1つ」(川崎国道事務所)や「地元企業がBIM/CIMを活用するための技術習得と設備投資が課題」(川崎市)との意見が出た。
 週休2日の実施に当たっては、横浜国道事務所が「4週6休以上達成した企業に間接工事費の割り増しや履行取引証発行などのインセンティブを付与しているが、休日取得による工期延伸よりも現工期内完成を優先するため、週休2日の取り組みを行わない場合がある」ことなどを紹介したほか、「経費や労務費の補正には、積算システムを改良する必要があり、その経費やシステムメーカーとの調整が課題となっている」(横浜市)、
「現場閉鎖日の確認方法と下請けまで労務費が適切に配分されているのか調査方法を検証する必要がある」(川崎市)などの意見があった。

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