【大建工業】伝統工芸とコラボで新建材の試作品を制作 3/3-3/6 東京ビッグサイト企画展で初披露 | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

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【大建工業】伝統工芸とコラボで新建材の試作品を制作 3/3-3/6 東京ビッグサイト企画展で初披露

 大建工業は、富山県などで伝統産業を営む複数企業とコラボレーションして新しい非住宅市場向けデザイン建材を商品化する共同企画『越-etsu-プロジェクト』で初めてとなる試作品を制作した。3月3日から同6日まで東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれる「JAPAN SHOP2020」の企画展で初披露する。

伝統工芸をあしらったホテル客室用ドアと、プロジェクト参加者

 同社の創業の地である富山県西部の呉西地区は、銅器・漆器や組子などの伝統産業が盛んで、さまざまな伝統工芸品が生み出されている。こうした伝統産業と建材を組み合わせた新しいデザインの建材を生み出すプロジェクトとして19年5月から「越-etsu-プロジェクト」を開始した。
 伝統工芸産業の計6社とともに試作を重ね、今回、黒焼き杉をベースに、「モメンタムファクトリー・Orii」(富山県高岡市)の発色技術で色づけした真ちゅう板と河島建具(砺波市)の組子をあしらい、レバーハンドルに能作(同)の鋳物を採用した「ホテル向けドア」を制作。観光ホテルの客室ドアでの使用を想定している。有料老人ホームでの利用を想定したドアでは、漆芸吉川(同)がドア面に漆と螺鈿、卵殻を施した。畳織り柄は、洛彩(京都府向日市)が組子柄、水面柄、波紋柄を考案した。能作が真ちゅうのレバーハンドル3デザインの試作品も制作し、能作、Orii、和田彫金工房(高岡市)、漆芸吉川が計5パターンの発・着色を手掛けた。
 各製品とも、公共・商業施設での使用にあわせて不燃、防音などの機能を維持している。大建工業の江頭一朗デザイン部部長は「公共・商業施設はデザインが重要な要素となっており、設計者やデザイナーが斬新なデザイン・素材を求めている。本物の伝統工芸をあしらいつつ、実現可能な製品を目指して検討を重ねた」とし、今回の試作品デザインに限らず、伝統工芸をあしらった建材制作の依頼があれば対応する考え。
 近年、家電製品などでは、価格や機能だけではない新たな評価軸として、デザイン性が着目され、斬新なデザインの家電などが高い評価を受けている。こうした流れの中で、建材市場でもデザインが新しい価値を生むかが注目される。
 
 
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