【建築】木造アパートを2階→3階で建て替え 天空率で容積確保した建築ユニット「Eureka」 | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

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【建築】木造アパートを2階→3階で建て替え 天空率で容積確保した建築ユニット「Eureka」

「Around the Corner Grain」

 さいたま市のJR浦和駅近くにアパートメント(法的には長屋)「Around the Corner Grain」はある。
 施主は2階建て木造アパートの建て替えを4人の建築設計ユニット「Eureka」に依頼。施主からは「周囲のアパートを見ると1階に空室が多いため、1階を駐車場にして2、3階に部屋を設け、安全・安心のためできるだけ明るい感じにしてほしい」との条件が示された。
 Eurekaの佐野哲史共同主宰(一級建築士事務所Eureka、さいたま市)は、3階の斜線制限を緩和して容積を確保するため、「1階にこれだけあいているなら天空率を使おう」と着想したことを振り返る。1階ピロティだけでは足りないため、3階バルコニー上の天空率もカウントする手法を模索した結果、小さな屋外空間が点在する複雑な形状の建物となった。
 1階角は柱を無くして見晴らしをよくすることで安全・安心を確保。宙に浮いた梁を支えるためカンチレバーを採用し、その鋼材に当たらない位置に窓を配置した。
 設計はMARU architecture(東京都台東区)と共同で実施。1階のピロティは、駐車場としてだけでなく、展覧会やカフェイベントに利用するなど地域のためのスペースとして活用されている。

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