【続・Tokyo Metabolizing展】東京の新たな都市像を描く展覧会 2/18-3/4@東京EARTH+GALLERY | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【続・Tokyo Metabolizing展】東京の新たな都市像を描く展覧会 2/18-3/4@東京EARTH+GALLERY

 わが国が本格的な人口減少時代に突入する中、居住都市としての東京の新たな都市像を描こうという展覧会が18日から東京都江東区のEARTH+GALLERYで開かれる。法政大学がことし設置した江戸東京研究センター(センター長・陣内秀信教授)が主催する「続・Tokyo Metabolizing展」だ。法政大FCLT(Future City Lab.Tokyo)と東工大塚本研究室、横浜国大先端科学高等研究院(IAS)、同大大学院Y-GSAが協働し、それぞれの居住に対する研究を発表。展示とシンポジウム、ワークショップなどを通じて、近未来の東京に歴史上どこにも存在しなかった新しい都市社会を創造していくための姿を描きだしていく。会期は3月4日まで。
 法政大FCLTは、近代以前の「江戸」の社会空間を参照し、そこに存在していた豊かな社会的共通資本を召喚することによって、現代社会に人々の関係性を再構築できないか検証する。
 18日にはオープニング記念シンポジウム「都市東京の近未来」も開く。陣内教授・センター長が基調講演するほか、建築家の塚本由晴東工大教授と北山恒法大教授が寺田真理子横浜国大特任准教授をモデレーターに「江戸-東京という巨視的時間で都市論を語れるか」と題して議論する。大きく社会制度を変換した江戸と東京を通して見る文明論的な研究に取り組む同センターについてのセッションもある。開会は午後2時30分。
 東工大塚本研究室は、東京の郊外住宅地における住宅の世代についての研究を踏まえ、現代の東京における暮らしのエコロジーを見直すことによって新しい世代の居住を提案する。25日にはワークショップ「未来の住宅を考える」を実施。塚本教授ら研究室メンバーと中村真広氏(ツクルバ)、連勇太朗氏(モクチン企画)、山道拓人氏(ツバメアーキテクツ)らゲストが「新しい世代の暮らしの想定」を考え、その想定に合わせて未来の住宅のエレメントがどう進化するのか、スケッチなどを作成し議論する。完成した作品は会場に展示、講評する。開会は午後1時。
 横浜国大は、住まいにおける「集合」と「共有」に着目し、国内に建てられた10の集合住宅の比較研究、横浜の木造密集市街地である西戸部地域における次世代の居住モデルを提案する。3月3日には「Big Form、Small Grain-『集まって住む』ための個と全体のかたち」をテーマとしたシンポジウムを開く。乾久美子教授らが次世代居住都市研究の成果を報告するほか、長谷川逸子氏、篠原聡子氏らゲストの建築家の作品を通して居住空間における生き生きとした「個」と「全体」の関係を探る。開会は午後2時。
 問い合わせは江戸東京研究センター・電話03-3264-9682。
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 「Tokyo Metabolizing展」は、10年の第12回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の日本館において行われた。建築家の北山恒氏をコミッショナーに、塚本由晴氏、西沢立衛氏の両建築家が出展。ヨーロッパの街並みに見られるような連続する建物でつくられた都市ではなく、一つひとつ独立した建物の集合体として構成され、絶え間なく生成変化を続ける東京の「粒状」の都市の様相を21世紀の新たな都市モデルの1つとしてプレゼンテーションした。

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