【東北電力ら】山間部の送電設備保守業務の効率化へ ELTRESTM活用した送電線監視で実証実験 | 建設通信新聞Digital

5月2日 木曜日

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【東北電力ら】山間部の送電設備保守業務の効率化へ ELTRESTM活用した送電線監視で実証実験

 東北電力、NECネッツエスアイ、サンコーシヤは、山間部での送電設備保守業務の効率化に向け、「ELTRESTM」を活用した送電設備の監視にかかわる実証試験を宮城県内で始めた。東北電力が所有する宮城県内の鉄塔に「ELTRESTM」の通信端末を計10機設置し、送電設備監視の有用性を検証する。

実証試験イメージ

 実証試験は、送電設備監視でのELTRESTMの活用検証と、東北・新潟エリア全体への導入可否検討が目的。通信電波の届きにくい山間部を含めたELTRESTMのデータ送受信確認、送電鉄塔に設置した通信端末の耐久性確認、ELTRESTMを使った送電設備保守業務の東北・新潟エリア全体への導入可否を内容とし、31日までが実証試験期間となる。
 ELTRESTMは、長距離データ通信や低消費電力を特徴に持つ通信ネットワークLPWA(省電力広域無線通信技術)の1つ。実証試験では、ソニーネットワークコミュニケーションズ提供の「ELTRES IoTネットワークサービス」を活用する。
 東北電力は現在、送電鉄塔に設置している航空障害灯の点灯状況や落雷などによる「故障区間標定装置」の動作状況を現場パトロールの目視によって確認している。ただ、送電設備は広い範囲に数多く設置され、特に山間部や遠方にある送電設備の場合、現地までの移動に時間がかかることから、安全面や業務効率化などの観点から対策を検討している。
 ELTRESTMを使うことで、山間部や遠方の設備でも、現地の鉄塔に設置した通信端末から遠隔でデータを取得、事務所にいながら送電設備の状況を確認することが可能となり、送電線路事故時の故障個所の早期発見に役立つと期待されている。
 実証試験の結果などを踏まえ、送電設備保守業務へのLPWA導入を目指していく。
 
 
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