【東洋建設と日立造船】洋上風力基礎低コスト化へ2021年度に実海域試験 建設費20%低減 | 建設通信新聞Digital

5月4日 土曜日

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【東洋建設と日立造船】洋上風力基礎低コスト化へ2021年度に実海域試験 建設費20%低減

 東洋建設と日立造船は、着床式の洋上風力発電施設の低コスト化(建設費20%低減)を実現できるサクションバケット基礎の施工技術実証に取り組む。ポンプで排水して地中に貫入させるため、大型施工機械が不要なほか、貫入と逆の手順で注水することで設置時の機械を使って全撤去が可能といった特長がある。

サクションバケットのメカニズム

 2019-20年度に、東洋建設鳴尾研究所(兵庫県西宮市)で10分の1縮尺モデルのサクションバケット基礎を使って土槽試験、京都大学防災研究所(京都府宇治市)で遠心力場試験を行う。21年度に実海域での貫入と引き抜き試験を実施し、構造物と地盤の連成挙動を評価する。22年度に大型風車対応を検証し、公的機関による技術認証取得を目指す。
 サクションバケット基礎は、洋上風力発電施設の基礎として欧州で実績のある工法で、国内でも防波堤などで適用実績がある。今回の施工技術実証は、欧州と条件が異なる国内の洋上風力発電施設へのサクションバケット基礎の適用性を検証するとともに、大型化が進む風車にも対応可能な基礎形式や施工技術を開発し、100メガワット級以上の風車の普及に備える。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受け実施する。
 
 
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